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コロナ禍の百貨店跡再生、カギはデパートに?激動の「小売業界2022」を振り返る

ビジネス

「小型百貨店」の出店に注目

 一方、コロナ禍もあり「百貨店が消えた都市」が増えるなか、「三越豊田」のようにエムアイプラザで培ったノウハウを活かすかたちで「百貨店が消えた都市への小型店出店」もみられるようになった。

 例えば2021年10月には「そごう徳島店」(2020年閉店)跡の2階と5階(合計で約2510平米)に高松三越(香川県高松市)が小型店「三越徳島」を出店。こちらも2フロアでありながらも徳島県内唯一の百貨店として広域集客をめざしている。

 閉店が相次ぐ百貨店。コロナ禍が落ち着きつつあるなか、今後も豊田や徳島に続くような「百貨店跡への小型百貨店出店」があるのかどうか注目される。

【2】創業400年!「超老舗百貨店」の現在地

小売業界

ありし日の丸栄百貨店(撮影:佐原勇貴)

 コロナ禍で消えたものは数知れずだが、名古屋の百貨店跡には「超老舗」の屋号が帰ってきた。それが名古屋市中心部のサカエにあった「丸栄百貨店」の跡地に3月31日に一部開業、5月26日にグランドオープンした商業ビル「マルエイガレリア」だ。

 マルエイガレリアの前身である丸栄百貨店は1943年の企業整備令に伴う百貨店統合による十一屋と三ツ星の合併により生まれたもので、そのうち十一屋は1615年に創業した「十一屋呉服店」を起源に持ち、そこから数えて400年以上もの歴史がある「超老舗百貨店」だった

 1953年の増築で誕生した村野藤吾設計の本館は日本建築学会賞を受賞するなど「名建築」としても知られ、外壁にあったモザイクタイル画やエレベーター扉に描かれた東郷青児の絵画はサカエのシンボルのひとつとして親しまれた。

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