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リア充のフリに疲れる…26歳女性の心の闇「絶対ホントのことは言えなかった」

コラム

いつも話題の中心にいる20代女性がきて

 嘘を重ねる日々に疲れと限界を感じていた北川さん。梨花さん(仮名)という20代女性が転職してきたことで、転機が訪れます。スッピンでオシャレには縁がなさそうな女性、彼氏もいないし、恋愛に興味がない。いっしょに暮らす母親にお金を渡しているため常に金欠。

「それでも梨花は、それを尻目にも思っていないようで、気づけば職場の中心ともいえる存在となっていました。イケメンな彼氏がいるわけでもなく、キラキラした容姿でもなければ、周りが羨むような生活をしているわけではない。それでも、孤独とは縁遠い人だったのです

 たいした努力もせずありのまま振る舞っているのに、いつも輪の中心にいる梨花さんへの嫉妬心もあり、避けるように過ごしてきた北川さん。けれどある日、滅多にない会社の休日に2人で出勤することになります。

「変な意地もあり、自分からは絶対に話しかけないと決めていました。それなのに梨花は、こちらの気持ちなど気にもしない様子で話しかけてくるのです。『孤独にさいなまれないために、私はこれほど努力しているのに』といったいら立ちもありました」

本音を打ち明けたら、まさかの結末に

若者の孤独

 ちょっとした意地悪心が芽生えた北川さんは、梨花さんに彼氏がいないことや経済的なゆとりがないことに触れる話をしますが、まったくもって気にしない様子。あまりのあっけらかんとした様子に、北川さんは思わず質問します。

「ずっと昔からそんな性格なのか、周りと合わせず除け者にされたり孤独を感じたりすることはないのか、尋ねました。すると、『自分を偽らなければ孤独になるなら、それでもいい。ずっと自分を偽り続けるのはしんどいし、そんなことは一生続かない』と言われ、目が覚めたような気持ちになったのです」

 勢いや雰囲気もあり、笑われることも覚悟で、これまでのことを梨花さんに告白しました。すると、「孤独でもいいと思う気持ちはあっても、私も心細いと感じることはあった」と共感され、その後、意気投合して友情を深めるという予想外の展開となったのです。

 北川さんはそれ以降リア充のフリは辞め、孤独も受け入れつつ、本当の自分をわかってくれる人たちとだけお付き合いするようになったとか。孤独を感じるからと、まわりの興味を引くために嘘をついてしまうと、余計に苦しむことになるかもしれません。

特集・若者の孤独

<TEXT/夏川夏実 イラスト/葉月しあ(@shia_lifestyle)>

ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5

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