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クリエイターが食べていくには?“創作を支援する”弁護士に聞いた必要条件

ビジネス

企画が通ったポイントはどこだった?

プレゼン

※画像はイメージ

――企画書を上手に作るのもなかなか難しいです。企画が通ったポイントはどこだったのでしょうか。

山田:文脈を捉えていたのが一番大きいと思っています。動画配信やSNS発信で、これからクリエイターがめちゃめちゃ増えてくる時代です。マーケットの分析もしっかりしていたので、その2点で企画は通ると思っていました。あと出版社さん側は「売れる本だったら出すよ」が大前提だと思うので、「この本ちゃんと売れますよ」とデータを書きました。

――「売れる」根拠を示すのが一番大変そうです。

山田:そうですね。今回は類書をマッピングして、自分が書きたい本のポジションが空いていること、しかし類書の傾向から需要があることを示しました。世の中に必要な本だというのが一番大きかったとは思います。本に書いたことは必須のスキル、全部知っておいたほうがいいことばかりです。だから買いやすいし、手に取りやすいだろうなと思っています。

文章が好きなことと、ライターになることは別

――本書を読んで、まさか複式簿記まで出てくるとは思いませんでした。この本はどのような考え方で成り立っているのでしょうか。

山田:創作活動と仕事を対比して、どちらかを諦める必要なんてないんですよ。創作を仕事にしたいなら、創作活動の中にビジネススキルを入れていけばいい。なによりも、創作を続けていくことが尊いんです。無理なく創作を続けていけるように、「新しい絵を描きたいと思ったとき、鉛筆を買うのと同じようにビジネススキルを身につければいいよ」と書籍全体を通して語っています。

――インターネットで誰でも文章を発信できる今、ライターの原稿料はどんどん落ちていて、なかなか生活できるほど稼げません。

山田:まず、本当にそれで稼ぎたいかどうかを問いかけたほうがいいと思います。例えば自分が一番いいと思うものを作ることとお金を稼ぐことはマッチしていないんですよ。だからビジネスにしたときに、その創作が必ずしもやりたいことかはわからないよということなんです。

 みんな自分の創作で稼がないといけないと思っているせいで作りたいものも作れないし、作っても売れなくて苦しむ状態になっていると思っています。みんな「文章を書くのが好き」でライターになろうとするんですけれど、文章が好きなことと、ライターになることはまったく違う能力ですよね。文章を書くのが好きなら、日記を書いておいたほうがいいかもしれません。

クリエイター1年目のビジネススキル図鑑

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漫画家、動画配信者、音楽制作者、イラストレーター、ライター etc.あらゆるクリエイターが「だれに聞けばいいかわからない…」と悩むビジネスのはじめの1歩を、クリエイターのビジネス支援を行う著者が、図解で解説

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