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20代独身男性の4割がデート経験なし。マッチングアプリ婚活が迷走するワケ

暮らし

マッチングアプリに期待する政府へ「NO!」

 20代独身男性のうち4割はデート経験がない──。6月14日に発表された内閣府の『男女共同参画白書』のデータに対し、野田聖子少子化対策大臣は「今はオンラインで繋がっていくことが主流、(政府も)対面に代替できるものを提供していく」と発言。国がマッチングアプリでの出会いを推奨するようなコメントが一時話題となった

マッチングアプリ

 これに対し、前出3人の識者に意見を聞いた。鈴木氏は「出会いさえあれば結婚できるわけではない」と一蹴。

「アプリで手軽に出会える半面、関係性は脆弱。『この人しかいない!』という唯一無二性を見いだせなければ、たとえ交際してもすぐ破綻してしまう」

“お見合いおばさん”のような存在が必要

 また松本氏は「恋愛や結婚といった個の人権に政府が介入するのは、非常にデリケートな問題ですが、婚姻率を上げるには政府が男女の出会いのツールを提供するだけでなく、婚姻するメリットや生涯独身のデメリットをしっかりと示すことです」と述べる。

 さらに川名氏は、かつてのお見合いシステムの復権も示唆。

「選択肢が多いと、後押しする人がいないと難しい。利益を求める民間企業に任せるのではなく、マッチング成立を請け負う公的な結婚相談所を設けて“お見合いおばさん”のような存在が必要です

 助けを求める声は国に届くだろうか。

<取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>

【川名好裕】
立正大学心理学部元教授。現非常勤講師。男女関係の心理学的研究に長年携わる。著書に『恋愛の俗説は8割ホント。心理学から”男と女の真理”を探る|』など

【松本健太郎】
マーケター兼定性寄りデータサイエンティスト。事業会社でマーケティング全般を担当。近著に『データ分析力を育てる教室』(マイナビ出版)

【鈴木リュウ】
30~40代男性向け恋愛コンサルタント。恋愛コラムニスト。婚活パーティ、合コンに3年で150回以上参加した経験に基づき、男性向けにモテるノウハウを提供

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