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ドコモショップが「大量閉店」に。販売代理店からの“うま味”も消滅か

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販売店には総務省から再三の指摘も

総務省

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 総務省は2021年5月にNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに対し、携帯電話の販売代理店業務の適正化に向けた措置を行うよう改めて要請しました。

 総務省が実施したキャリアショップ向けアンケートで、回答者の4割が、消費者のニーズを確認することなく上位の料金プランを勧誘したことがあると回答。強引な営業活動の背景には、携帯電話事業者の営業目標を達成しようとしたことがあると指摘したのです。総務省はこの問題に対して再三にわたり、注意喚起していました。

 しかし、2021年6月以降も不適切な勧誘が行われていることを、総務省の調査が浮き彫りにします。2021年6月以降に、利用実態を確認せずに上位の料金プランを推奨したとの回答は3割。不要と思われるオプションやアクセサリーを推奨したとの回答はそれぞれ3割、2割となりました。このような勧誘をしていないとの回答は4割に満たなかったのです。

 その理由を聞いたところ、「上司からの指示」が5割、「販売代理店の経営層からの営業目標」が6割、ドコモなどの「キャリアからの営業目標」が4割となり、「自己判断」の1割を大きく上回りました。いわば組織的に強引な販売を続けていることが明らかになったのです。

“うま味”がなくなってしまった

 また、販売代理店のスタッフからは、「顧客満足度を上げてもポートイン(乗り換え)を上げないと代理店あての支援費が入らない。ポートインを上げれば満足度がどれだけ低くても表彰され、代理店あての運営支援金も多くもらえる」との回答がありました。

 携帯電話の販売については、キャリアが圧倒的優位に立ち、販売代理店の評価によって手数料を増減する仕組みを導入しています。こうした問題を受け、2022年6月1日総務省は新規契約獲得を過度に重視する制度を見直す必要があるとの認識を示しました。

 ドコモからすると、販売代理店から得られる“うま味”がなくなってしまうのです。

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