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周囲から「信頼できる人」と思われる。リーダーの素養「仕切る力」の身につけ方

学び

「進行役」はいつも冷静である必要はない

平石直之

平石直之氏

 進行を司るファシリテーターは、できるだけ冷静な仕切りが求められる立場ですが、ときには自分自身がヒートアップしてしまうこともあります。アベプラでもときおり、私が自分の意見を主張したり、論客と熱い議論を交わす場面がありますが、じつはこれ、ある程度はあえてやっている面もあります。

 議論が低調で盛り上がりに欠ける場面では、ファシリテーター自身が極論を投げかけたり、テンションを高めてその場を活性化させることもあります。

 議論の幅を広げたり、深みを増すためには、ときに自分自身が身を削って、話の輪に飛び込んでいく覚悟が求められます。そして、議論に火がついて、参加者たちが身を乗り出してくれば、今度は自分がすっと身を引いて、またもとのポジションに戻ればいいのです。

時には熱意を参加者に伝えることも

 ファシリテーターは単なる進行ロボットではありません。あくまでその会議に参加するメンバーの一人でもあることを忘れてはいけませんし、それを節目節目でアピールすることも大切だと考えています。

 ただ日和見的に進行を担っているのではなく、誰よりもその議題に熱い思いを持ち、ときに自身の意見も織り交ぜながら進行していることがわかれば、その熱意が参加者に伝わり、一目置かれるようになり、立場が尊重されて進行しやすくメリットがあります

 あくまで他人に対する配慮を守ったうえで、自身の熱量を上手にコントロールしていければ、議論をより盛り上げることができ、あなたの手で部署やグループの力を引き出すことができるはずです。

<TEXT/テレビ朝日アナウンサー 平石直之>

テレビ朝日アナウンサー。報道・情報番組を中心に「やじうまテレビ! 」などでMCを務め、「ニュースステーション」「報道ステーション」などでは、全国各地を回る。2019年からABEMAの報道番組「ABEMA Prime」の進行を担当。 “アベプラの猛獣使い”として番組を盛り立てている。昨年10月に初の著書『超ファシリテーション力』(アスコム)を発刊

超ファシリテーション力

超ファシリテーション力

個性的な出演者をさばく名ファシリテーター、平石直之アナウンサー初の著書!

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