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販売休止の危機も…キンレイ「冷凍食品シリーズ」が鍋調理にこだわる理由

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“お水がいらない”を商品名に

キンレイ

苦戦した数年分の売上を3か月強で達成した「お水がいらない 札幌味噌ラーメン」

「でもやはり、スーパーさんでも何かお客様に届くような改善案がないか、当社のさまざまな部門が集まって議論を重ねました。そしてストレートに『“お水がいらない”という言葉を商品名にしたらどうだろうか』という結論に至り、2010年にシリーズ化し、売り上げたのが、やっと100万食でした」

 100万食といえば、前出の「お水がいらない 札幌味噌ラーメン」のおよそ3~4か月の売り上げと同じ。このことからも、当時の売れ行きがどれほどよくないものだったのかがよくわかる。たくさんの冷凍食品があるなかで手に取ってもらうのは、並大抵のことではなかった。

「『お水がいらない』という商品名で販売するまでは、『お家で簡単』とか『お鍋で簡単調理』といったキャッチコピーをパッケージに表記していましたが『ウチの商品は、お水がいらないのだから、そのまま鍋に入れてもらうということを端的に伝えよう』という考えの元に『お水がいらない』シリーズ展開をはじめたところ、ジワジワと反応を感じられるようになったのです」

レンジではなく、鍋調理にこだわる理由

「商品のキャッチコピーを変えたことで、スーパーの店長さんや商品を見たお客様から『お水がいらないって、どういうこと?』という問い合わせが来るようになりました。名前で気づいてもらえるようになり、手に取って実際に食べてもらえる機会が増えたのです。また、商品を食べてくださったお客様がリピートするなどの好循環に繋がり、スーパーさんからも評価されるようになりました」

 その後、スーパーなどの協力や認知度も徐々に上がり、2015年に「お水がいらない 鍋焼うどん」が合計1億食を突破。スーパーや量販店で、冷凍鍋焼うどん売上No.1に輝いた。同シリーズは、なぜ、手軽で簡単なレンジ調理ではなく、あえて鍋調理の商品を展開し続けるのだろうか? また、レンジ調理商品が増えることはないのだろうか? 尋ねてみた。

「お鍋で炊くと麺の状態もよく調理感が出ますし、グツグツとする過程は食欲をかきたててくれるなど、よりおいしく食べていただける要素がたくさん詰まっています。『麵屋はなび 元祖台湾まぜそば(汁なし麺シリーズ商品)』のようにレンジ調理可能な商品も展開中ですが、レンジ調理が可能な『お水がいらないシリーズ』としての展開はありません」

キンレイ

電子レンジ調理が可能な「麵屋はなび 元祖台湾まぜそば」(汁なし麺シリーズ商品)

「弊社では採用していませんが、例えばレンジ調理ではゆで卵が破裂するなど調理上で危険なこともあります。おいしく召し上がっていただくということももちろんですが、レンジでも安全・安心調理していただけるように調理方法や具材の検討など研究を重ねています」

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