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「お前、態度悪すぎ」お客様は神様?悪質な”カスハラの実態”と、その対策

ビジネス

「責任感」は場面によって判断すべき

カフェ店員

 続いて、勤務中にカスハラ被害に遭った場合の対処法も見ていきましょう。カスハラ被害に遭った場合、どのように対処するのが良いのかポイントを以下に列挙したいと思います。

◆ カスハラ被害に遭った場合の対処法
・どの部分がサービスの域を超えているのか見極めて、要求に対応しかねることを丁寧に客に伝える
・侮辱発言や性的発言をされても、感情的な応戦はせず冷静な口調で対応し、出来るだけ客を興奮させないようにする
・迷惑行為が収まらない場合、可能であれば会話を録音、動画撮影して証拠に残す
・暴力を振るわれそうなど、身の危険を感じた場合は警察に通報する

 カスハラの場合、考え方として自分で何とかしなければならないなど、過度に責任を感じてなくても良いでしょう。起きた出来事はメモをするなど記録して、上司や会社に報告して下さい。

 社会に出て仕事をすると、上司や先輩から責任感を持てと言われた経験がある人も多いかも知れません。しかし、自分が担当した案件であっても責任を感じすぎないことも大切です。「責任を感じたほうが良い出来事」と「責任を感じなくて良い出来事」があります

 今後、カスハラ対策が進んでいくことでカスハラ行為者が生まれにくくなる側面もあると思いますが、区別して考えることで余計なストレスを排除していけると思います。

<TEXT/ハラスメント専門家 村嵜 要>

1983年、大阪府出身。ハラスメント専門家。会社員時代にパワハラを受けた経験があり、パワハラ撲滅を目指して2019年2月に「日本ハラスメント協会」を設立。年間50社からパワハラ加害者(行為者)研修の依頼を受け、パワハラ加害者50人を更生に導く。
Twitter:@murasaki_kaname

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