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“詰める文化”のオープンハウス、銀行参入に潜む落とし穴/全宅ツイ

ビジネス

提携のデメリットは、カルチャーギャップ?

 所属銀行である住信SBIネット銀行にも今回の提携はメリットがあるといいます。

「住信SBIネット銀行は三井住友信託銀行とSBIグループが共同出資して設立されたネット銀行で、金融庁の分類で『新たな形態の銀行』と呼ばれています。同行は住宅ローンに積極的で、低い金利を生かして残高を伸ばしていて、委託契約をオープンハウスと締結することで、オープンハウスの販売力を自行に取り込むことが可能になります

 オープンハウスと銀行、双方にメリットのある今回の提携ですが「落とし穴もある」と金融アスペ君さんは指摘します。

「監督官庁である金融庁対応の重要性は相当高く、金融機関では当局への対応に相当な労力を注ぐのが当たり前です。今後、当局対応でオープンハウスにとって経営のスピード感が損なわれる場面もあるでしょう。過去にスルガ銀行やアルヒで不正融資が起きたことから、エンド向け不動産×金融はマイナスの意味で注目度が高いのです」

本来ならマイナスに繋がりかねない内実

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 さらに、不動産業界と金融業界では、大きな“カルチャーギャップ”が存在するとか。

「私の経験上、不動産屋さんと金融機関では守秘義務や規範意識に大きな差があり、文化的には水と油と言えるほど。もちろんオープンハウスが銀行そのものになるわけではないですが、許可を当局から取得する以上、不動産屋さんから金融機関寄りに意識を改革する必要が出るでしょう」

 意識改革に立ちはだかるのが、躍進の原動力とも言うべき独自の企業文化です。

「以前、オープンハウスの朝礼風景がTVで取り上げられたことがありますが、どちらかというと現代の感覚ではマイナスに繋がりかねない内実です。本来なら隠すべきものを、上場した後も堂々とある種の売りにしている点からも、独特な企業カルチャーを感じます

 金融業界でも『野村證券は厳しい』といった情報はSNSから漏れ聞こえますが、企業側が積極的に発信はしませんよね? 開き直りというか突き抜ける大事さを感じます」

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