実は「漫才」も発祥!名古屋は身近な場所で、本物の歴史体験ができる
「生活が退屈だ」「観光地がない」「文化がない」と言われることもある名古屋。しかし、これまでの記事「名古屋に転勤する幸福」では「名古屋の多彩な観光施設」について紹介し、名古屋が「日本有数の一大観光都市」であることを示した。
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「名古屋の生活が退屈ではない」という所以(ゆえん)はこのほかにもある。名古屋周辺にはトヨタ系列をはじめとした様々な工場が多く「労働者の街」というイメージが強い。そのためか「名古屋は文化不毛の地」と貶されることもあった。
しかし、実際の名古屋は「永年にわたって日本の芸能を牽引する役割を担ってきた都市」であり、現在もそうした伝統芸能文化が大きな存在感を放ち、名古屋で生活する人々を今も楽しませ続けている。
身近な場所に「歴史スポット」がある名古屋
愛知県は戦国時代を終わらせた「三英傑」である織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の出身地として知られる。徳川家康は天下統一後の1612年に拠点を清洲城から名古屋城に移し(清洲越し)、本格的な「名古屋の街づくり」が開始された。
それ以降、名古屋は江戸幕府の重要都市として存在感を示し続け、江戸時代の名古屋の人口は江戸・大坂・京都に次ぐ規模にまで成長した。
国立博物館がない名古屋ではあるが、名古屋周辺の博物館には国宝「源氏物語絵巻」や徳川家ゆかりの品の数々を展示することで、有名な「徳川園・徳川美術館」をはじめとして、歴史を感じさせられる品々を収蔵しているところが多くあり、少し散策すると「実は身近な場所が歴史スポットだった」と気づかされる。
明治以降の近代史も身近に感じられる
名古屋城は戦災で焼け落ちてしまったが、名古屋には近代の名建築も数多く残っており、明治以降の近代史を身近に感じることもできる。
とくに、名古屋城前に居並び、いずれも重要文化財に指定されている「愛知県庁舎」「名古屋市庁舎」「名古屋市政資料館(旧・名古屋高等・地方・簡易裁判所庁舎)」は圧巻。この周辺には戦災を逃れた街区もあり、僅かではあるが名古屋城下を感じさせられる建物も残っている。