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時短無視で売上9割増のグローバルダイニング。外食産業1人勝ちでも見えてきた“限界”

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企業イメージは低下せず?株価も急上昇

株価

※イメージです

 CSRやESG投資など、株式市場においても企業倫理が求められる昨今ですが、同社の方針は企業イメージに傷はつかなかったようで株価も急上昇しています。

 2017年度末に300円台、2019年度末に200円台とじりじり下がっていた同社の株価は、コロナショックによって2020年4月には115円まで下落しました。

 業績悪化の影響で年末には150円前後までしか回復しませんでしたが、同社が政府無視の方針を発表してから株価は急上昇し2021年4月には300円、7月には600円を突破しました。その後は落ち着いており、8月現在で400円台を推移しています。

今後はコロナ以前の水準へ

 今後の業績について考えてみましょう。2021年度の成績に関して同社は売上高94.8億円、最終利益10.2億円を予想しており、コロナ以前の水準に戻る見込みです

 しかしながら仮にクラスターが発生した場合、「宣言を無視して感染を拡大させた店舗」としてのレッテルが貼られてしまうため、短期ではワクチン普及まで感染拡大防止に注意しなければなりません。

 また、いきすぎた反対方針は大手商業施設でのテナントお断りにつながる危険性もあります。長期では愛知県を中心にドミナント出店をしながら事業拡大を目指すようです。

 ドミナント戦略は狭い地域に同じ店舗を展開して競合他社の出店を防ぐ戦略のことですが、上手くいけば知名度の向上につながるため期待できます。

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