4か月で10kg減のダイエット。コンプレックスを利用した「劣化改善メソッド」
コンプレックスが行動の原動力
南氏が重視したのはダイエット方法ではない。人間の意志の弱さを身をもって知るからこそ、逃げられない状態をつくることに注力したのだ。
「嘆く前に、なぜ自分が問題解決のための行動を起こさないのか考える。そしてその理由とコンプレックスを天秤にかけ、コンプレックスが上回れば理由を潰していけばいい。コンプレックスに突き動かされることこそが、肉体劣化の特効薬です」
26歳から進行したという薄毛には投薬治療を実践した。
「『クリニックに行くのが恥ずかしい』『コストが高い』。そんな言い訳が頭をよぎりましたが、今の時代、ネットでいくらでも情報は手に入るし、ジェネリックを通販で買えば月1700円で治療は始められる。そうやって言い訳を潰していき、自分を『やる』に持っていくんです」
劣化する肉体がストレスになるのなら、いま一度、コンプレックスと向き合うべきなのだ。
肉体を若返らせる「笑いの効能」とは
「ハッハッハー! ハーッ!!」。取材場所の井の頭公園に響き渡る快活すぎる笑い声。声の主はラフターヨガジャパン副代表の田所孝氏だ。
「ラフターヨガとは、’95年にインドで始まった笑いと深呼吸を組み合わせた健康体操。笑うことで自然と腹式呼吸ができて酸素と血液があらゆる臓器に行き渡るため、心身の若返りや免疫力向上、脳の活性化が見込まれるエクササイズです。その手軽さから、現在100か国以上に広がっているんですよ」
基本となる手順はあるものの、細かいことは気にせずただ大声で笑うだけでもOK。ちなみに、本心から笑わなくても作り笑いで同等の効果が得られることが科学的に立証されているという。
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<ラフターヨガの基本>
1:「ホッホ」と言いながら、胸の前で手拍子を2回
2:「ハハハ」と言いながら、頭の斜め上で手拍子を3回
3:これを3~4回繰り返す
4:「ヤッター、ヤッター」と言いながら手拍子を2回
5:最後に「イェーイ」と言って両腕を大きく広げる
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「笑うっていいことだらけなんですよ。前述のような効果も得られるし、なにより嘘でもいいから大声で笑えばストレス解消になる。笑うと腹筋を使うので体幹も強くなります。僕のセミナー(コロナで休止中)に来ているお年寄りの生徒さんもみんなめちゃくちゃ元気ですから!」
自粛疲れで不調気味の記者も田所氏に倣い挑戦。「アーッハッハ!」と公園にこだまする大声で笑うと、それだけでかなり清々しい。そんな解放感とともに、全身に酸素が巡る感覚も確かにある。全身が若返るようだ。
なかなか笑えないご時世だからこそ、恥じらいを捨て思いっきり腹から笑ってみては?
<取材・文/週刊SPA!編集部>
【浅川雅晴】
精神科医。東海大学病院精神科に勤務後、1994年に浅川クリニックを開業。『スマホという病』『コロナ時代の強い心のつくり方』『若返りセラピー』など著書多数
【南祐貴】
経営者、投資家。大手広告代理店を28歳で退社後独立。ゲストハウス運営を手がけるかたわら、世界最速で日経新聞を解説する男として「セカニチ」の名でも活動中
【田所 孝】
NPO法人ラフターヨガジャパン副代表。代表である妻のメアリー氏とともに、ラフターヨガ普及に尽力。YouTubeでは解説動画を公開中