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アフターコロナで変わる働き方。「変化の立役者」になるには?<常見陽平>

学び

変わるものと変わらないものがある

営業マン

 コロナ禍で人との接触が制限される中で、オンライン化ですべてが解決するのかといえば、必ずしもそうとはいえない部分もある。例えば、製造業をはじめモノづくりの現場ではAIの活躍が期待されるものの、機械を動かしたり設備をメンテナンスする人間が必要になる。

 また、リモートで完結できるといわれる営業職も、最終的には関わる人の人柄が決め手になりうる。人同士のかかわり合いにはやはり、モニター越しのロジカルなコミュニケーションだけでは通用しない部分も生まれるはずで、営業にある「自分を売り込むコト」だという本質は今も昔も変わっていない。

 一方で、オンライン化による恩恵もあり、これまで客先への訪問型営業を主としていた企業でいえば、移動を伴わないので1日あたりの訪問件数を増やせるチャンスにもなりうる。従来の社会人が経験してきた「ワザ」が通用しなくなる場面もあるとは思うが、その反面、変わりつつある時代の流れを前向きに捉える姿勢も必要になってくるだろう。

 働き方が変わるとなると、当然ながら、就職や転職の選択肢もだんだんと変わってくると考えるのが自然だ。従来は求人情報などから伝わる職場環境も決め手になっていたが、今後は、仕事の内容そのものが重視される世の中になっていくはずだ

「何ができるか」が注目される社会に

 その背景にあるのはやはりテレワーク化で、企業側は今後「この人は何ができるのか?」という目で、新卒者や転職希望者をみきわめていくと思われる。

 そして、先述したオンライン化はここでも関わっていて、必ずしもオフィスへ出社する必要がないとなれば、同期や先輩、上司といった壁も薄れて、誰もが簡潔でフラットなコミュニケーションを図るようになる。実際、一部の企業で今年、新卒者に対してオンラインの研修を試みているのは一例といえるだろう。

 また、これは地方が盛り上がる可能性を秘めたことも意味する。じつは、私が教員として所属する千葉商科大学でもコロナ禍で引っ越しができず、上京せずにオンライン授業を受け続けている学生たちが少なくない。

 今後、コロナ禍の先で本格的に「アフターコロナ」や「ウィズコロナ」の時代へさしかかってくると、社会人であっても似たような選択肢が出てくるはずだろう。

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