「20代・ゆとり世代」を上司はどう見ているか。出世願望がない?
今のほうが余裕のある生活ができる?
バブル以前の世代は、管理職(部課長クラス)まで出世していることが多いため、役職給が加算されていました。この中から普段の生活費、子供の教育費、住宅や車のローン返済などを賄っていたのです。
一方、ゆとり・さとり世代は「面倒が増えるくらいなら、生涯一般社員でいい」という価値観もあり、平社員のまま定年を迎えようとします。こうなると役職給は望めないので、景気の違いを考慮に入れなくてもバブル世代より収入は減りそうです。
ところが、現在の主流はダブルインカム世帯に変わりました。株式会社ジェイアール東海エージェンシーの2015年の調査によれば20代夫婦は64.5%が「共働き世帯」とあります。働き方改革や女性の活躍推進などもあり、夫婦ともども正社員として雇用されている家庭も少なくありません。
その場合、(もちろん男女間の賃金格差は存在しますが)単純に考えると収入は倍になるわけですから、バブル以前世代の専業主婦世帯の20代の頃と比べても余裕のある生活が営めそうです。
いくら給与が増えたからといっても、ストレスが増え、労働時間も実質的に長くなりそうな管理職への出世を、ゆとり世代が望まないのは当然と言えます。出世欲がないと批判されるのは的外れもいいところなのです。
若い世代は常に批判される
そういう上の世代も若いころは批判されてきました。筆者が就活していた1986年は「新人類」という言葉が流行語大賞になりました。名前の通り、当時の社会人の常識とズレたちょっと変わった若者に対して命名された言葉ですが、新卒をはじめとする若者全体を一括りにされて言われました。
いやいやもっと遥か昔、古代エジプトの遺跡から「イマドキの若者はけしからん」と象形文字で書かれている書簡があるくらいですから、戦後何十年どころではなく、人類が繰り返してきたことなのです。
恐らく皆さんもこれから入社してくる新人に対して抱く普通の感情だと気づくことになるでしょう。まあ、生まれた年代を変えることはできないので、角が立たないように適当にスルーするのが無難です。
ただ、嫌な避けたい仕事(というより嫌なこと)でも経験を積めば積むほど実力が付くものだと、多くの先輩は後から振り返って気づいているようですので、ありがたい話と拝聴しましょう。