職場になじめない“転職後ギャップ”に陥る人の特徴と、その対処法
新型コロナで転職は「ジョブ型」中心に
そもそもコロナ不況以降の転職市場はどうなるのだろうか。景気が冷え込み、転職市場にも甚大な影響を与えることが予測されるが、齊藤氏は「程度は未だ推し量れません」と前置きしつつも、次のように語る。
「リーマンショックの際には、転職希望者が膨れ上がり、求人希望の企業が大きく減少しました。これは今回のような新型コロナウイルスから懸念されるマーケットの冷え込みにも通じます。
また、これとは別に、海外では主流となる『ジョブ型』といった自身のスキルを会社ではなく既存プロジェクトや仕事へ活かす採用スタイルが、日本でも主流となりそうな動きもあります。これらが相まった転職マーケットでは、個人と会社との雇用契約ではなく、個人が持っているスキルを、会社を越えてさまざまなプロジェクトに活かすことが求められていく可能性があると思っています。
もちろん、旧来のような、会社によって成長していく『メンバーシップ型』の求人も自身のスキルは重要になりますので、入社後できるだけ早期に結果を出すことが求められます」
入社後に良好な人間関係を築くには
「そのため、転職直後の不安や悩みなどは早々に解決・解消することを意識した行動が転職の成否を分けるでしょう。また、自身のスキルを高めるために、好きなこと、得意なこと、苦手なこと、勉強してみたいことなど、さまざまな自己分析を進め、それらへの対処方法を講じておくことも大事になってくると思われます」
転職後の環境に早く慣れるかどうかは「人間関係の構築」も大事な要素のひとつとなりそうだ。どうすれば入社後すぐに良好な関係を築くことができるのか?
「人によって心地よい距離感や、コミュニティのサイズがあると思います。まずはそれらを保てる同僚や先輩、上司を見つけるのが関係構築には良いでしょう。合わない環境で無理に合わせていことは、短期的に関係構築できたようにも思えますが、中長期的には破綻してしまいます。
もし自分にとって心地よい関係性が保てないのであれば、自身で発信していくことも時には大事です。仕事だけではなく、趣味や特技など自分なりのコミュニケーション方法で関係構築するのも良いでしょう」