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【中川淳一郎】新社会人のためのメール作法。相手に「バカか、コイツ」と思われない

ビジネス

「問題提起」しながら主張を通す方法

 次は、【問題提起&主張を伝える】である。私が編集を担当している「NEWSポストセブン」だが、コロナによる緊急事態宣言が長引くことを見越し、リモートでの作業を一度経験する必要があると考えた。

 小学館で『女性セブン』と『週刊ポスト』のウェブ版を作る作業を週に2日行っているのだが、もろもろの事情があり(記事本数の数等)、セブンのほうが負担は少ない。世間から外出への「圧」もあるため、4月8日のセブンの作業を一度リモートでやってみては、という提案である。もちろん私は「リモートにさせたい」という意思をもってこのメールを書いている。

メール

問題提起&主張を伝える文面

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セブンの皆様

おつかれさまです。
いよいよ緊急事態宣言でましたね。
これ、どうしましょうかねぇ。

なんとなく、セブンの場合はポストほど全員集合する必要も
ないのかな、とういう気もします。

かなりの記事については◯◯さんと私の阿吽の呼吸で作っているところがあり、◯◯さん分についてはすでにリモートでやっていました。
◯◯さん、◯◯さんと電話で喋る、というやり方でもいいのかな、なんて
ことを思い出しました。

画像の問題などもろもろありますが、スイマセン、ご判断お願いします!
5月までこの状況が続くとなると、あの悠長な政府であっても尻に火がついたのかな、と思いまして。

中川
=====

 これについては、「社会の状況がヤバい」「これに乗らなくてはまずいのではないか」「リモートは初体験だが、なんとかできる予感はある」「先方に判断は委ねる(相手を立てる)」「最後にダメ押しで『現在はこれ、やらなくちゃマズいよ……』を伝える」という形で主張をしつつ自信を見せて、「殿、ご決断を!」とやるパターンだ。

 すぐにスタッフ全員で「一度やってみるか」となり、8日はリモートでなんとか仕事は完遂できた。こういった「誰かが言わなくちゃ……」という時に真っ先に提案してしまうのがいい。

若手からの指摘には感謝の意を

 続いては、自分よりも若い方から「不躾ながら手直しをお願いしたい」「僭越ながら意見を述べさせていただきたい」と言われた時だ。私は「発注主がエライ」という考えのため、原稿修正依頼をしてきた発注主に対しては相手が若かろうが、新入社員だろうがこのように答えるようにしている。なにせお客様あっての自分だからである。

メール

相手からの指摘に感謝の意を

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◯◯さん

こんにちは。
もろもろ助言いただきありがとうございました。
加筆修正しました。

あとはお任せします!
中川
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 これは、とにかく相手からの指摘に感謝し、その指示通りに直したことを伝え、さらには「あなたの腕は分かっていますので、後はご自身の良いようにやってください」と自分の手から放すやり方だ。

 ここでガタガタと「こっちの方がいいのによぉ、お前みたいな若造が言ってることがよぉ……」なんてメールでバトルをしても意味がない。発注主が言ったことはよっぽど的外れでない場合は従ったほうがいい。

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