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往復6時間半の「新幹線通勤」をする20代、意地でも赴任しないワケ

学び

往復6時間半かけて通った新潟の工場

 しかし、それ以上に大変だったのは、新潟県内の工場に新幹線通勤していたときだといいます。

「単純に浜松に行くよりも通勤時間がかかりました。新潟駅の1つ手前の燕三条駅が工場の最寄り駅で、そもそも始発の東京駅に行くまでに時間がかかります。

 僕は毎朝9時半までに行けばよかったのですが、それでも東京駅7時4分発のMAXとき303号に乗る必要があり、横浜の自宅を6時前には出なければならなかったんです。

 新潟の工場は1か月だけでしたが、往復の通勤時間は6時間半。かなりの長時間ですが移動中は寝ていることも多いし、起きていてもゲームをしたり、電子書籍を読んで過ごしているので退屈ってほどではないですよ」

 それでも浜松のとき同様、残業で帰れない日もあり、1か月の間で5日はビジネスホテルに泊まるハメになってしまったそうです。

新幹線通勤が不可能な場所なら…

飛行機通勤

 いくら新婚とはいえ、通勤に時間がかかりすぎるのは負担でしかありません。なぜ毎日わざわざ遠くから通い続けるのでしょうか?

「彼女は『別に長期じゃないんだから……』と単身赴任を勧めてきましたが僕が嫌だったんです。まだ恋人同士だったころ、彼女が留学して海外遠距離だった期間があって、めちゃくちゃさびしくて仕方なかった。

 そのときのこともあって、結婚してからは絶対に一緒にいようと決めたんです。だから、早朝出勤の深夜帰宅で短い時間しか過ごせなくても彼女が待つ家に帰りたかったんです」

 とはいえ、新幹線でなんとか通える場所ならいいですが、須藤さんの会社の系列工場は全国各地に存在。飛行機でしか通えないような場所にも工場はあります。

「それが目下の悩みです。今までは出張するにしても1~2日泊だったので我慢できましたが、月単位での出張の可能性も十分あるでしょうね。

 だけど、1か月となるとちょっと……週末は自宅に戻ったとしても平日はずっと1人で過ごさなきゃいけないのはキツいですよ。札幌や福岡なら朝6時台から夜9時台の便まであるし、決して自宅通勤も不可能ではないと思うんですけどね」

 アメリカなどの海外では飛行機通勤するビジネスマンも決して珍しくはないですが、あくまでここは日本。仮に通勤可能だったとしも経費的な問題もあり、会社がそれを認めるとは思えません。

 個人的にはぜひ飛行機通勤に挑戦してほしい気はしますけどね。

特集・私の“痛勤ラッシュ”レポート

<TEXT/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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