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アジア初の快挙も。米アカデミー作品賞、大混戦を予想する

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『ジョジョ・ラビット』 ☆☆★★★

 ナチスドイツの思想にかぶれた少年が、ユダヤ人少女との出会いを通して、自分の考えを持つことの大事さに気づいていくという内容の物語で、ポップな映像や、ビートルズやデヴィッド・ボウイなどの時代錯誤的な選曲がユニークな作品。

 当初は有利と見られていた本作だが、『1917 命をかけた伝令』が前哨戦で勝利を飾った影響で、同様に戦争を扱った歴史作品である本作の存在感が薄れてしまった印象がある。

 とはいえ、前年の作品賞受賞作『グリーンブック』(2018年)のように、誰にでも理解できるシンプルなストーリーであることや、ユーモアのある華やかな作風であることは好条件。票がばらけたときに勝機がありそうだ。

『フォードvsフェラーリ』 ☆★★★★

 史実を基に、アメリカとイタリアを代表する企業のレース勝負と、スピードに生きる男の友情を描くという内容で、作品賞を獲得しても全くおかしくない、じんわりとした感動のある良作だ。

 だが、レース映画ということで、ジャンル映画が忌避される作品賞ではかなり不利な位置にいると思われる。レース映画だけに、賞レースも制してほしいところだが、いまのところ作品賞に到達できるだけの材料は少ない。

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