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なぜ二日酔いは起きるか?産業医が教える、失敗しない飲み方

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血中のアルコール濃度を測る理由

“酔う”とは、血液に溶け込んで脳に運ばれたアルコールによって脳が麻痺することです。

 酔いの程度は、脳内のアルコール濃度によって決まりますが、脳内のアルコール濃度は測れないので、かわりに血中アルコール濃度を測って判定します。また、警官は、呼気中のアルコール濃度により、飲酒運転などの判定を行います。

 アルコールの血中濃度により、“酔い”の状態は爽快期(最も軽度のレベル)から昏睡期(死の危険があるレベル)の6段階にわけられます。

 一番“酔い”が軽いレベルの爽快期は、血中アルコール濃度が0.02~0.04%で、さわやかな気分、皮膚が赤くなる、陽気になる、判断力が少しにぶるなどの症状がみられます。

 次のレベルは、血中アルコール濃度が0.05%から0.09%のほろ酔い期ですが、症状としては、ほろ酔い気分、手の動きが活発になる、抑制がとれる、理性の喪失、体温の上昇、脈が速くなるなどがあげられます。

いわゆる酔っ払い運転とは?

飲み会

 いわゆる飲酒運転には、2種類あります。「酒気帯び運転」は呼気中アルコール濃度が0.15mg/L以上、または血中アルコール濃度が0.03%以上の場合。「酒酔い運転」はアルコールの影響により正常な運転ができないおそれのある状態です。

 これは呼気中・血中アルコール濃度にはよらず、まっすぐ歩けない、警官とのやりとりがうまくできない状況なども含めますので、お酒に弱くて少しの量でも酔ってしまう人は、たとえ呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg/L未満だったとしても酒酔い運転で罰則を受ける可能性があります(道路交通法施行令第四十四条の三)。

 飲酒運転とは、上記のように一番軽いレベルの“酔い”状態を含めますので、少しでもアルコールを飲んだ人は、運転を避けるべきです。

 さまざまな調査でも、血中アルコール濃度が高くなると、飲酒運転事故発生率も高くなることが示されています。例えば、血中アルコール濃度が、0.05%、0.10%、0.15%になると、0%(飲酒していない状態)にくらべ、交通事故の発生率が2倍、7倍、25倍になるというデータもあります。

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