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過労死ラインの長時間労働が397万人も。最新「過労死白書」の注目ポイント

ビジネス

③ 勤務インターバル制度を知らない会社は大幅減

 勤務間インターバル制度(終業時刻から次の始業時刻までの間に一定時間以上の休息時間を設ける制度)の認知度は高まり、平成29年には37.3%の企業が知らないと回答しましたが、平成30年にはその割合は26.6%まで減っています。

④ 半数超が仕事や職業生活で強いストレスを感じている

過労死白書

厚生労働省 令和元年版「過労死等防止対策白書」より)

 仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている人は全体の58.3%であり、ここ十数年横ばい状態ですが、依然として半数を超えている状況です。

 その内容をみると「仕事の質・量」(62.6%)が最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」(34.8%)、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」(30.6%)となっています。

⑤ 自殺者全体の10人に1人は「仕事が原因」

過労死白書

(厚生労働省 令和元年版「過労死等防止対策白書」より)

 自殺者数全体は、平成10年以降14年間連続して3万人を超えていましたが、 平成22年以降、減少が続き、平成30年は2万840人となっています。仕事を原因のひとつとする自殺者の数は、減少傾向にあるものの、平成29年から2年連続増加しており、2018人となっています。

 また、自殺者数総数に対する、仕事が原因・動機のひとつとする自殺者の割合は9.7%。理由は、1位が「仕事疲れ」で28.1%、続いて「職場の人間関係」24%です。

⑥ 過労死の認定件数は横ばい傾向に

 平成30年、過労死として労災認定された件数は脳・心臓疾患で82人、精神障害(未遂を含む自殺)は76人でした。業種別にみると運輸業・郵便業、製造業、医療業、飲食店等が多い傾向です。

⑦ 建設業における分析

 現場監督の精神障害事案では、約半数(59件中30件)が自殺に結びついており、その原因は長時間労働や仕事内容や量の大きな変化が多くなっています。

 建設業全体でみる業務に関するストレスの原因は「職場の人間関係」(31.3%)、「休日・休暇の少なさ」(29.9%)、「無理な工期設定」(28.1%)「時間外労働の長さ」(27.2%)となっており、長時間労働が大きな原因となっていることがわかります。

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