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過労死ラインの長時間労働が397万人も。最新「過労死白書」の注目ポイント

ビジネス

⑧ メディア業界における分析

カメラ

 過労による精神障害事案は、20代から30代の若い世代が多く、自殺はすべて20代です。

 業界全体でみる業務に関するストレスや悩みの内容は「業務量の多さ」(43.9%)が最も多く、次いで「職場の人間関係」(31.3%)、「要求される品質(クリエイティビティ)」(27.8%)が高い割合を占めています。

白書における過労死防止対策と厳しい現実

 労働行政機関においては、長時間労働が行われている事業場への監督指導、ガイドラインや法律のよりいっそうの啓発により、長時間労働の削減を目指す取り組みを今後も行うとしています。

 また、年次有給休暇取得の促進、勤務インターバル制度の推進で、働き過ぎを防ぐ仕組みづくりを促し、メンタルヘルス対策や職場のハラスメントの予防、解決にも一層力を入れるとしています。

 白書の後半では、業界団体や企業等の過重労働対策やメンタルヘルス対策の取り組み事例がコラムとして23件にわたって公開されています。ただ、国のこうした取り組みにもかかわらず、多くの人が厳しい現実に向かい合いながら働いています。

 日本の労働者のおよそ7割は、中小企業に勤務していると言われています。会社も努力はしているが、なかなか追い付かないという現状もあるでしょう。法律や行政の目の届かない場所で苦しんでいるこうしたケースを、実際にどのように救い上げるのか、課題は非常に多いのではないでしょうか。

<TEXT/澤上貴子>

さわかみ社会保険労務士事務所代表。特定社会保険労務士/健康経営エキスパートアドバイザー。会社の発展を支え、従業員のモチベーションを育む労務コンサルティングを目指す。20年近い豊富な実務経験にもとづく、的確で時には攻めの姿勢のアドバイスと、きめ細やかな対応が評価を得ている。労働諸法令に関する指導・相談・手続、その他多岐に亘る分野において、良心と強い責任感をもって展開している