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ウィンブルドンJr.を制した望月慎太郎。錦織圭も認める16歳の実力

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強さの要因はメンタルと練習環境

 望月選手の強さの要因とはなんなのだろうか。

「試合後の記者会見での態度からは1人の人間としての真摯な姿勢が感じられるほどの落ち着きをみせていました。試合での激しいプレーとは裏腹に、16歳とは思えぬ何物にも動じない精神面が強みでしょう。

 技術面においても自らがストロングポイントと語るリターンやバックハンドに磨きがかかっています。決勝での最後のショットも鮮やかに繰り出されたバックハンドからのポイントでした」(佐藤氏、以下同)

 また留学後に身につけたネットプレーも威力を増しているという。

「やはり錦織圭選手の存在も大きいでしょう。同じ練習環境で錦織選手と自分のプレーを比較していく中で、自分の武器を見極め、自身のプレイスタイルを築いてきました。全仏オープンや今大会では、錦織選手の練習パートナーを務めるなど、さまざまな環境の中で常に身近に“最高のお手本”がいたことも強さの要因に挙げられます」

 錦織選手も16歳のジュニア時代に、2006年全仏オープンにてラファエル・ナダル選手から“仮想フェデラー”として練習パートナーに指名されたことがある。望月選手を自身の練習パートナーに指名したことにも、何か特別な思いがあったのかもしれない。

世界的選手を輩出する「IMGアカデミー」

テニス

 日本のテニス界の宝ともいえる望月選手や錦織選手を輩出した「IMGアカデミー」は、テニスのみならずNBA選手、メジャーリーガーなど世界的なトップアスリートを輩出する世界最大級の総合スポーツアカデミーである。どのような指導が行われているのだろうか。

「テニスでは、アンドレ・アガシ、錦織圭、マリア・シャラポア、セリーナ・ウイリアムズら有名選手が過去に在籍、卒業しています。長期・短期の留学の受け入れが行われており、トップアスリートの卵が世界中から集結しています」

 そこで、技術向上を図ることはもちろん、メンタル面やフィジカル、英語力に至るまで、アスリートとして必要な要素を養っていく。

「テニスのほか、バスケ、野球などさまざまな競技での留学を行うことができ、スポーツ選手としての能力を伸ばすだけでなく、社会人としてのあらゆる分野に貢献できる教養も数多くのトレーニングプログラムを通じて身につけることも目的とされています」

 ウィンブルドンJr.選手権を制した際、望月選手は「快挙という実感はない。大会で勝てたことは、自分にとっては成長」とのコメントを残しているが、今後どのような成長を見せてくれるのか、期待が集まっている。

<TEXT/bizSPA!取材班>

佐藤文孝
新潟県在住。Jリーグ、プロ野球、大相撲やサッカーW杯、オリンピックなど多くのスポーツの現場に足を運び、選手、競技から伝えられる感動を文章に綴っている

bizSPA!フレッシュ編集部の記者(編集者)が、20代のビジネスマン向けに、気になる世の中の本音や実情を徹底した現場取材で伝えます。

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