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のん、『この世界の片隅に』が地上波放送。独立後も愛されるワケ

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『この世界の片隅に』大ヒットが転機に

 そんなのんさんに再び転機が訪れます。2016年11月公開のアニメ映画『この世界の片隅に』の声優に抜粋されたのです。アニメ監督・片渕須直さん(58)からの熱烈なオファーでした。

 戦時中の厳しい状況下で、穏やかでありながらたくましく生きるヒロイン・すずは、のんさんの声だけでなく人生ともシンクロ。封切り前の試写会から評判は高く、封切り後はSNSによる口コミで噂が爆発的に広がっていきました。

 松尾スズキさんなど著名人が絶賛した影響もあり、単館系映画としては異例のロングラン。のんさんは、声優として「第38回ヨコハマ映画祭」で審査員特別賞を受賞するなど、数々の賞を受賞。にもかかわらず、この映画以降も実写ドラマは、LINEドラマ『ミライさん』の起用のみ。今も尚、地上波ドラマや映画での復帰は果たしていません。

なぜファンに愛され続けるのか?

のん

のん「ベビーフェイス」(CD+ブックレット)

 現在、のんさんはラジオやCMの出演こそありますが、芸能界の暗黙の制約のなかで活動していると言わざるを得ません。そんななか、なぜファンは離れていかないのでしょうか?

「のんさんは、『あまちゃん』の舞台である岩手県久慈市のイベントにたびたび参加したり、『この世界の片隅に』の舞台・広島が豪雨被害に遭えば訪問して義援金を送ったりと、本当に律儀なんです。お世話になった人や場所に恩義を忘れない彼女の行動を見るなかで、ファンはさらに復帰を後押ししたくなるのでしょう」(テレビ誌記者)

 地道な活動を続けるなかで、来年2020年には、念願だった実写映画『星屑の街』の公開が控えています。これまでの努力が実を結び、再び女優として飛躍することを祈るばかりです。

<TEXT/鈴木旭>

フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中

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