懐かしき、現役特急形車両10選。昭和・平成・令和を駆け抜ける<国鉄・JR編>
10)JR北海道・西日本、大井川鐡道、東武博物館「14系」
14系は国鉄時代の1971年に登場した国鉄の特急形客車で、寝台車と座席車の両方が新製された。スハネフ(寝台車)、スハフ(座席車)の車両床下に発電用のディーゼルエンジンを搭載することで、電源車を省いたのが特徴だ。
寝台車は全廃されており、令和を迎える車両は座席車のみとなる。
●JR北海道
臨時列車〈SL冬の湿原号〉用として、わずかに残る。
●JR西日本
1983年に改造されたジョイフルトレイン『サロンカーなにわ』が健在。客車のジョイフルトレインとしても貴重な存在である。
●大井川鐡道
JR北海道から4両購入し、2016年6月11日に現地入り。しかし、現在も営業運転に就いていないまま、令和を迎えることになった。
●東武博物館
2016年から2017年にかけて、JR四国・北海道所属車8両が譲受され、SL・DL〈大樹〉用(東武鉄道が運行)として動態保存されている。
〈大樹〉運転開始当初は、元JR四国車のみ充当されていたが、2019年4月13日から元JR北海道のドリームカーも戦列に加わった。参考までに、東武博物館保有の動態保存車は、ほかに8000系8111編成、C11形207号機(JR北海道より借り受け)、12系客車2両、ヨ8000形車掌車2両があり、いずれも東武鉄道が運行する。
<取材・文/岸田法眼>
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<5/15追記>
本記事掲載後、JR東海キハ85系が1988年に登場していたことに気づき、こちらにて掲載いたします。失念してしまい大変失礼しました。
■JR東海 キハ85系
キハ85系は、老朽化が進むキハ80系の置き換える役割を担う。大きな側窓を「ワイドビュー」と称し、JR東海在来線特急形車両の基本スペックに。ディーゼルエンジンは海外のカミンズ社製を採用し、350PS(馬力)を1両につき2台搭載することで、大幅なスピードアップを実現した。
1989年、特急〈ひだ〉〔現・〈(ワイドビュー)ひだ〉〕でデビュー。1992年から特急〈南紀〉〔現・〈(ワイドビュー)南紀〉〕にも投入され、管内気動車特急の車種統一を図った。
キハ85系は31年にわたり、第一線で活躍しているが、将来はハイブリッド気動車が後任に就く予定。