懐かしき、現役特急形車両10選。昭和・平成・令和を駆け抜ける<国鉄・JR編>
7)JR西日本「マイテ49形」
国鉄発足前の1938年に登場した“最高級展望客車”で、記号の「イ」は当時の1等車をあらわす。当時の車両は1等、2等、3等に分かれており、運賃も等級制だった。
特急〈富士〉〈つばめ〉などで活躍したのち、引退。マイテ49 2は廃車後、交通科学館に静態保存(展示)されていたが、国鉄分割民営化直前に現役復帰。“スペシャルゲスト”として、臨時快速〈SLやまぐち号〉に連結されたことがある。
8)JR四国・九州「キハ185系」
国鉄時代の1986年に登場。四国に投入され、急行の特急格上げを推進する車両となった。国鉄特急形車両では初めてステンレス車体が採用されたほか、前面や車体側面の窓回り、座席はキハ183系500番代と似たつくりである。
瀬戸大橋が開業した1988年に絶頂期を迎えたが、世界初の振子気動車2000系の投入により、1992年に20両がJR九州へ移籍、さらに1999年には一部の車両が一般形化改造を受けた。
JR四国所属車は、現在も特急や各駅停車の運用に就くほか、一部がジョイフルトレイン化改造されている。
一方、JR九州所属車は1992年に特急〈あそ〉〈ゆふ〉として再スタート。現在は特急〈ゆふ〉〈九州横断特急〉のほか、2両がD&S(デザイン&ストーリー)列車の特急〈A列車で行こう〉用に改造された。
9)JR九州「783系ハイパーサルーン」
JRグループ初の特急形車両として、1988年に登場。在来線車両では初めて、最高速度を130km/hに設定したほか、乗降用ドアを中央に配し、客室をA室とB室に分けるなど、斬新かつ衝撃。485系に比べ、明るく、快適な車両に仕上がった。
当初はエル特急(現・特急)〈有明〉〈スーパー有明〉に充当され、のちに〈かもめ〉にも専用編成を投入。さらに1990年3月10日のダイヤ改正で130km/h運転が開始され、電車特急の783系化が進むものと思われた。
しかし、1992年に水戸岡鋭治氏デザインの787系が投入されて以降、個性的な特急形車両が続々登場。783系は大ベテランの域に入り、“地味な車両”となった感はあるが、デビューから31年たった現在も第一線で活躍が続く。