懐かしき、現役特急形車両10選。昭和・平成・令和を駆け抜ける<国鉄・JR編>
4)JR東日本「185系」
153系急行形電車の置き換え用として、国鉄時代の1981年に登場。“マンネリ”を打破するかのごとく、従来の国鉄特急形電車とはデザインや思想が大きく異なっており、人々に鮮烈な印象を与えた。
東京―伊豆急下田間の急行〈伊豆〉や普通電車としてデビューしたのち、エル特急(現・特急)〈踊り子〉に衣替え。普通電車の運用は約30年続いたほか、1986年から定員制の快適通勤列車〈湘南ライナー〉にも起用され、汎用性の高い車両として、38年にわたり第一線で活躍してきた。
一方、上野口では耐寒耐雪構造の200番代が投入され、1982年にデビュー。上野―大宮間の〈新幹線リレー号〉、特急〈水上〉〈草津〉などで運用された。現在は先述の特急〈踊り子〉などにコンバートされている。
上野口の特急はすべて651系1000番代に交代。特急〈踊り子〉や〈湘南ライナー〉もE257系2000番代に置き換えられる模様である。
5)JR東日本「651系」
意外に思われるかもしれないが、この車両は昭和末期の1988年に登場。“平成最初のJRグループダイヤ改正”の1989年3月11日、エル特急(のちに特急)〈スーパーひたち〉として颯爽とデビューした。当時は斬新なつくりに加え、在来線初の130km/h運転を実施するなど、人々に大きな衝撃を与える。
後釜のE657系投入に伴い、2014年から一部を上野口特急に転用。その際、交流機器撤去などの改造を受け、1000番代として再スタートを切った。また、ジョイフルトレイン『IZU CRAILE』に再改造された車両もあり、関東以外にも顔を出す。
一方、オリジナルの車両は、常磐線いわき―富岡間の普通電車として、定期運用に就く。
6)JR西日本「381系」
日本初の振子電車として、国鉄時代の1973年に登場。半径200メートル以上のカーブをより速く通過できるのが特徴だ。国鉄時代は新規電化開業の路線に投入され、大幅なスピードアップを図った。また、百の位の「3」は、“アルミ車体の直流電車”と位置づけられていた(分割民営化により、その定義は崩れる)。
現在は岡山―出雲市間の特急〈やくも〉のみ運用されている。