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辞めさせない、自腹買いさせる…残酷アパレル企業を辞められた奥の手とは

学び

会社に内容証明で退職届を送ることに

ブラック企業

 この間も服の買い取りは相変わらず続いており、おかげで貯金もほとんどできません。年齢も20代後半に差し掛かり、「今、転職できなかったら将来がヤバい」と焦りを感じるようになったそうです。

「改めて本部に辞職の意思を伝えましたが、それまで同様ちゃんと取り合ってもらえなかったんです。辞めさせない会社側の常套手段なのかもしれませんが、舐められているとも思いました。それでどうすれば辞められるかネットでいろいろと調べてみたんです」

 すると、あるサイトに“辞めさせてくれない会社を辞める方法”として退職届を内容証明郵便で送る方法が紹介されていたのを見つけ、それを実行したそうです。

「その方法が本当に有効なのか自信はなかったですけど、発送した数日後に本部の担当者から退職届を受理したとの連絡がありました。その担当者ではなく、彼の上司宛にこれまで何度も受理を断られていることもちゃんと書いてあげました」

確実に辞められる手段を知っておこう

「いろいろと問題になったみたいです。自分のやったことを棚に上げて、『どうして内容証明なんかで送ってきたんだ!』とか散々嫌味を言われましたけどね(笑)」と語る、原田さん。

 最後はたまっていた有給休暇を一気に消化し、内容証明を送った翌月で退社。特にトラブルなどもなく、拍子抜けするほどあっさりしたものでした。

「内容証明によって退職届を送ったという記録が残したのが良かったようです。これで退職を認めなかったら会社が法的にアウトみたいなので。ただ、この方法を知っていれば、もっと早い段階で会社を辞められたんですけどね」

 最近は人手不足による倒産も起きているため、あの手この手に退職を認めないケースは起こりうるはず。そのときのためにも確実に辞められる手段を知っておいて損はないはずです。

<TEXT/トシタカマサ イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

― 特集・ブラック企業の辞め方 Vol.2 ―

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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