職場になじめない“転職後ギャップ”に陥る人の特徴と、その対処法
新年度が始まり、新卒者だけでなく、多くの転職者が新たな環境で働き始めている。今年は新型コロナの影響で、出社早々、リモートワークに移行してしまったという人もいるのではないだろうか。
今や20代ビジネスマンにとって、転職は当たり前のものだ。しかし、前職とのギャップや新しい職場に馴染めず、もどかしさを感じる人も少なくないようだ。
パーソルキャリア株式会社が行った、全国の転職後1年未満のビジネスパーソン500人を対象にした「転職者の転職後の悩みと相談相手に関する意識調査」によれば、転職後の“働いている姿“に約半数がギャップを感じ、約8割が「相談相手はいるが、悩みを十分に相談できていない」 と答えている。
転職後の“はたらく”を支援するサービス「CAREER POCKET」事業責任者・齊藤陽氏に「転職後のギャップ」を解消するコツを聞いた。
転職後のギャップは主に2種類
冒頭のアンケート調査で転職後にギャップを感じている人が一定数いることが明らかになったが、その差はどこで分かれるのか? 齊藤氏によれば「転職後のギャップは大きく2つのパターンに分かれる」と言う。
「1つ目、最も多いのは、事前に知り得た情報と、入社後に何かしらのギャップがあった場合。入社直後に認識していた就業条件と実際の現場環境が相違していることで抱くギャップや、入社から時間が経つにつれ前職のほうが優れていたと感じる点を発見して抱くギャップなどがあります。
どちらも転職前に入念に情報を取得した自負も相まって、『想像していた入社後のポジティブな自分』からかけ離れることでギャップを感じるようです」
もうひとつはどのようなパターンがあるのか。
「2つ目は、転職後にしか分からなかった環境の問題です。主に人間関係や、配属されたチームやグループのローカルルールです。面接時に会わなかった指導係の先輩や、よく関わる部署の担当者との相性が良くないなど、前向きな気持ちで入社しただけにガッカリする方も一定数いますね。
これは、一定の事前情報を取得している前提であれば、自身の性格や、会社や仕事、働き方への考え方・認識のズレによって生まれる“差”であることがほとんどだと思います」
転職後の情報をSNSで知るのは危ない?
こうしたギャップは事前に社風や企業文化、人事評価など調べておくことで回避できる。口コミサイト、人材エージェントなどあるが、有効な手段は?
「気になることは、できるだけ事前に情報を集めたほうが良いです。手段としては、大手サイトや個人ブログ、有料や無料までさまざまありますが、最近はSNSで情報を得る方も多いようです。SNSにはオフィシャルに掲載していない情報も数多くありますが、一方で真偽を選別する見極めも必要になります。
あくまでネットで取得できる情報は参考とし、それ以上は直接企業の採用担当とカジュアルな面談を設定してみたり、転職エージェントを利用してみたりと、一歩踏み出すことが大事です。
自身が思い描く転職の希望や理想などの基盤を固めるために情報収集し、それをもってエージェントに相談し、企業担当者と面談するなど、実際のアクションに移行することをおすすめします」