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アーティスト兼業農家の34歳が語った「実家の農業を継ぐ」決心をした理由

ビジネス

 衰退していく一方の第一次産業も、ただ手をこまねいてみているわけではありません。農産物の価値をさらに高めようと、食品加工(二次産業)、流通・販売(三次産業)にも取り組み、より経済的に豊かにしていこうという取り組みをおこなっています。これは「農林漁業の六次産業化」と呼ばれています。

 農林水産省では、六次産業の支援策を打ち出しており、2020年までに市場規模を10兆円にすることを政策目標に掲げています。私たちも旅行に行った際は、その土地のものを購入して、少しでも応援できたら良いですね。

本谷有希子さんは「田舎は無理」とホンネ発言

本谷有希子

AERA(アエラ) 2016年3/7号 【表紙】 本谷有希子

 劇作家、演出家として活躍し、芥川賞作家でもある本谷有希子さん(石川県出身)は、番組の中で齋藤さんの暮らしぶりに対して「退屈じゃないのかな? って思っちゃう」と、ホンネのコメント。芝居をパっと見に行くなど文化的なものに触れられない田舎に住むのは、自分は無理…とのこと。
 自分が住む土地に何を求めるかは、人によって大きく違うようですね。

 ちなみに、電通が2018年2月に発表した「全国Uターン移住実態調査」(※)によると、Uターンしたきっかけは「①ストレス、②親、③郷土愛」が三大要因だといいます。きっかけとして①「首都圏はずっと住める/住む場所ではない」(28.1%)、②「両親の近くに住みたくて」(24.5%)、③「離れてみて改めて地元の魅力を再認識して」(14.5%)などが挙がっています。

※出身地を出て首都圏(1都3県)に住み、また出身地に戻った20〜60代の男女1,714人を対象

 また、Uターンの不安要素として挙がったのはスバリ「仕事とお金」だったそう。そういう面では、実家を継ぐ選択肢があった齋藤さんは恵まれていたのかもしれませんが、とはいえ農業に飛び込む勇気は並大抵ではありません。

 新たな販路の開拓や、農業を盛り上げる直売会の運営など、農業の未来を背負って立つ齋藤さんの活躍に期待しましょう。

<TEXT/湯浅肇>

写真をメインに数多くの時事ネタやマルチメディア関連の記事も執筆。常に斬新な切り口で情報発信を目指すアラサー男子

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