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ココリコ田中と原作者が語るドラマ『うつヌケ』。「人生は悪いことも起きて当たり前」

 漫画家兼サラリーマンの田中圭一が自らの「うつ病脱出経験=(うつヌケ)」を活かし、うつヌケ経験者に取材を重ねて執筆した同名コミックを原作に描く異色のドラマ『うつヌケ』が動画配信サービスHuluにてスタートしました。

うつヌケ

 ココリコの田中直樹が田中圭一に扮し、うつとは無縁のアシスタント・カネコと共に、“うつヌケが原”という草原で、うつヌケ経験者たちのエピソードを聞いていきます。原作者の田中圭一氏と田中直樹さんにドラマを踏まえ、20代の社会人へのメッセージを伺いました。

ドラマ版は、新たに取材を行った6エピソード

――原作コミックも拝読しましたが、“うつ”をテーマにした本ドラマもとても凝った作りでした。

田中圭一:原作の漫画にはない新たな取材を行ったうえでの6エピソードが描かれています。原作ではカバーしきれなかった産後うつ、両親に厳しく育てられたがゆえのうつという、うつの中でもスタンダートといえるケースを扱えたのでよかったです。漫画のときにはインタビューできる相手が見つからなくて断念していたので。

――ドラマのエピソードは、ドラマ向けに象徴的な題材を創作したのではなく、きちんと取材を行ったうえで描かれたんですね。

田中圭一:そうです。ちゃんと基になる実話があります。

――田中直樹さんは田中先生がモデルの役を演じました。舞台のような作りと実景の混ざった、純粋に映像作品としておもしろい作品に仕上がっていました。

田中直樹:おもしろい作りでしたね。物語に関していうと、僕自身はうつ病を発症した経験がないので、とても遠い存在だったというか。どちらかというと、この作品にも出てくる“うつとは無縁のカネコです”みたいな感覚だったんです。でも原作を読ませていただいて、ドラマもやらせていただいて、うつの種というのは誰の中にもあるんだと思いました。ドラマをやる前と後では、随分と捉え方が変わりました。

職場が合わないと思ったら、転職すればいい

うつヌケ

©2018「うつヌケ」製作委員会

――仕事というのはうつになるきっかけにも、うつヌケのきっかけにもなるかと。20代の社会人の仕事の向き合い方、私生活とのバランスなど、うつヌケ経験者の先生から、何かアドバイスはありますか?

田中圭一:20代の社会人って、一番自信が持てない時期ですよね。うまく仕事を回せているという実感も乏しいし。若いうちは吸収するのに手いっぱいで、自分が成長できているというフェーズになかなか入れない。でもそういう時期は、スポーツでいうなら最初の筋トレ時期なので、途中であまり悩むよりは、とにかくいろいろ吸収できるものをしていこうという気持ちでいたほうがいい。

――若者たちから実際に悩みを聞くこともありますか?

田中圭一:私は大学でも教えているので、就職した卒業生たちから悩みを聞くことは多いです。いまは有効求人倍率も非常に高いです。「この職場は自分には本当に合わない」と思ったら、あまり固執せず、転職を考えたほうがいいと思いますね。何社か渡り歩けば、そう悪くもないところに行きあたるはずです。何社行っても無理な場合は、自分に原因がある場合が多いので、まあ、そのときは。

――自分を見つめなおして。

田中圭一:そうですね。まだ働いて1年も経っていないのに、辞めたいとか、「こんなこと考えちゃダメだ!」なんて思い悩んでうつになるくらいなら、1回辞めて、1か月か、2か月ぼ~っとした後で、次の職場を探してもいいんじゃいかと思いますよ。