ゾンビが町田市に溢れる“異色の漫画”作者が語る「86歳まで漫画を描きたい」
『笑っていいとも!』に出演した過去
──それはすごいですね! やっぱり画力は評価されるんだと。
イマダ:そうですね。ちゃんと、絵を描く力は評価されて失いかけていた自信を取り戻しましたね。あと、『笑っていいとも!』にも似顔絵で出場したことがあるんですよ(笑)。出演者のデヴィ夫人の似顔絵を描いたら、スタッフの方が「面白い!」って言ってくださって。オーディションの当日にそのままテレビ出演をして、優勝しました(笑)。
──すばらしいですね。では、自信も取り戻しつつ、どういうきっかけで『町田ゾンビーズ』を創作することになったのですか?
イマダ:これまでの人生を振り返って、自分がいちばんやりたいことを作品にしようと。当時は、その日あったことをまとめる絵日記のようなものしか描いてない状態でしたから。とにかく、自分の思いをすべて詰め込んだ作品になればいいなという思いで創作を再開しました。
家庭があったので持ち込み
──なぜ、ゾンビが題材になったのですか?
イマダ:それは単純に、むかしから好きだったんですよ。ゾンビに追いかけられる夢を見たり、映画でもリメイクされた『ドーン・オブ・ザ・デッド』や『ウォーキング・デッド』が無性に好きだったので、描くならこの世界しかないと思って。
──どんな作品が雑誌に掲載されやすいかは関係なく、自分が好きなものを描こうと思ったのですね。
イマダ:全くそうですね。それと、創作においてもそう。(アシスタントとして仕えた)故・土山しげる先生から教わった自分のことを描こうと。だから、主人公はぼくに決めて、物語の最初のほうに登場する部屋は、本当の仕事部屋をトレースして再現してるんですよ。どこまでも、自分のことやリアルにこだわろうと思いました。だから、これまで創作においてやってきた、雑誌の媒体ごとの傾向を考えるとか、流行を捉えるといった創作方法ではなかったです。
──では、出版社への投稿や持ち込みは再開されなかったのですね?
イマダ:やっても結果には繋がらなかったでしょうね。あと、そのときはすでに結婚をして家庭を持っていたので、編集者の方と何度もやりとりをしながら作品を生み出していくような時間はありませんでした。毎日4時半から8時半までが作業時間。そこで、創作したものをTwitter連載という形で発表しようと。それが、2018年ですね。