“偶然”から生まれた「うまい棒」大ヒットフレーバー、値上げしても人気の秘密
実は自社工場を持っていない
画期的な商品となった「うまい棒」の誕生には、「リスカ」という会社が大きくかかわっている。実はやおきん、自社工場を持っていない。麩菓子やきなこ棒などの駄菓子を製造している会社やスナックの工場など、さまざまな協力企業といっしょに新しい商品を生み出している。
「うまい棒は、茨城県にあるリスカ株式会社さんといっしょに生み出した商品です。リスカさんの製品にはハートチップルやビッグチョコ、コーンポタージュスナックなどがあります」
共に商品を企画し、リスカが製造、やおきんが販売。二人三脚で、味やパッケージなどの改良を続けながら、2022年現在もうまい棒を世に送り出し続けている。その歴史、約43年。長い歴史の幕開けとなった発売当初のフレーバーは何味だったのだろうか。
「いちばん最初に発売した味はソース味です。ソースの発売から3年後、1982年に発売した『めんたい味』が大ヒットし、うまい棒の知名度は一気にアップ。当時、明太子は知らないけど、うまい棒のめんたい味なら知っているという子供も多かったようです。長らく人気のフレーバーだったため、30~40代の方にとってはいちばん思い入れのある味かもしれません。ちなみに20~30代だと1992年発売のコーンポタージュ味やシュガーラスク味が人気ですね」
偶然から生まれた「大ヒットフレーバー」
うまい棒をめでたく大ヒットに導いた「めんたい味」だが、当時の担当者が明太子の本場である九州へ出張しなければ、誕生しなかったかもしれない。実は当時、明太子は全国的にまだまだマイナーな食べ物だったのだ。
出張中の飲み会で明太子を食べた担当者が、そのおいしさに感銘を受け、「どうにかうまい棒にできないか?」と商品開発を開始。当初は「明太子味」にて販売を考え、実際に明太子を使って試作していた。
「けれど、明太子を扱い慣れていないこともあり、そのまま使うと生臭さが残ってしまう。試行錯誤を続けるうち、明太子がスケトウダラの子だということに再着目。原料メーカーなどと相談して取り寄せたタラのパウダーと香辛料などで味を近づける工夫をし、完成させました」