岸田首相が1兆円支援を明言。市場価値を高める「リスキリング」とは一体何か
就職・転職活動に成功して入社しても、思い描いていたキャリアパスに乗れなくてモヤモヤしている人も多いと思います。一方、副業が解禁になったり、早期退職制度が導入されたりと、本人にやる気とスキルがあれば、新しい仕事にチャレンジができる環境になってきています。
2022年10月3日に行われた臨時国会で、岸田文雄首相が「リスキリング」の支援に5年で1兆円を投じると発言したことも話題になりました。リスキリングとは「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ、実践し、そして新しい業務や職業に就くこと」。そう説明するのは、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事の後藤宗明氏。
後藤氏は、リスキリングに関する調査研究結果と政策提言、自治体や企業へのリスキリング導入支援を経験し、『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』(日本能率協会マネジメントセンター)を上梓しました。本書より「自身のスキルを知る現状評価」について解説します(以下、後藤氏寄稿)。
何から始めれば良いのか?
これから新しくリスキリングを始める人は、ほとんどが「何から始めたら良いか分からない」「どんな新しい職業に自分が向いているか分からない」状態からのスタートだと思います。そうすると、最初から計画をみっちり立てるということ自体がとても難しいと思います。
そのため、リスキリングの計画を立てる前に、自分の現在の立ち位置を冷静に振り返り、情報収集を行い、おおまかなリスキリングの方向性をゆるく捉えることができると良いと考えています。
ありのままの気持ちや状態を冷静に把握する
リスキリングに取り組む前に、まず自分自身の現状に対する評価を行い、リスキリング開始前のありのままの気持ちや状態を冷静に把握してみてください。具体的には、以下の6つを確認し、自身を観察することをおすすめします。
・自分の現在の興味関心
・自分の解決したい課題
・自分の強み、好き嫌い
・自分の今までのキャリア
・自分の持っているスキル
・組織における自分に対する評価