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まさかの緊急メンテも…DMMが「オンラインクレーンゲーム参入」の勝算を聞く

ビジネス

 2020年から続くコロナ禍に多くの企業が影響を受けたが、なかでも休業要請、自粛協力による深刻なダメージを受けているのがアミューズメント施設だ

DMMオンクレ

株式会社DMMオンクレ代表取締役兼CEO松縄貴重氏

 なかには事業ごと他社に譲渡されるゲームセンターも出てきているが、そんななかで注目を集めるのが「オンラインクレーンゲームサービス」。日本国内における市場規模は200億~300億円とも言われている。

 そこに新規参入したのがIT大手のDMMグループだ。エンターテインメントから教育、金融、インフラまで“なんでもやっている”DMMだが、後発組として、成長著しいオンラインクレーンゲーム市場にどのような勝ち筋を描いているのか。株式会社DMMオンクレの代表取締役兼CEO松縄貴重氏に話を聞いた。

そもそもオンラインクレーンゲームとは?

DMMオンクレ

DMMオンクレ

 800種類以上の豊富な景品と10種類以上の遊び方が楽しめる「DMMオンクレ」。6月23日のリスタート以来、「オンラインクレーンゲーム好きの方を中心に徐々にリーチできている」(松縄氏)という。

「タイトーオンラインクレーン」「トレバ」などライバルも多いオンラインクレーンゲームは、そもそも一般のクレーンゲームとは何が違うのだろうか。

「まずは24時間365日遊べます。オンラインというワードが先行して、バーチャルなイメージを持たれるかもしれませんが、リアルなクレーンゲームを、バーチャルを介してプレイするというのが正しい認識です。オンラインでありながら、実際の景品を獲得する体験ができますし、獲得した景品は約1週間程度でご自宅に届きます。また、リアルだと順番待ちの際はクレーンゲーム機の前に並ばなければなりませんが、オンラインならその必要はなく気軽な気持ちで他の方のプレイを閲覧できたり、予約待ちしたりすることもできます」

2か月のサーバーダウン期間を経て再開

DMMオンクレ

インタビューに答える松縄氏

 そんなDMMオンクレだが、実は当初のサービス開始予定は4月だった。しかし、「想像以上のアクセスによるサーバーダウン」が発生してしまい、約2か月の中断を経て、6月23日にリスタートとなっている。

「サーバー構成に問題があることが判明し、緊急メンテナンスをせざるを得ない状況になってしまいました。私個人これだけの失敗をしたことはなく、多方面にご迷惑をおかけしてしまったと思っています。当初のスケジュールがタイトだったかもしれません。リスタート後の今は大きなトラブルも起こらず、無事に運営を再開できてよかったです

 そんななかで松縄氏は「売り上げを分析しながら、“勝ち筋戦略”を取っていく」と述べる。

「まずはDMMらしく、エンタメ色の強いオリジナルグッズを多く作っていきたいです。また、グループ内のさまざまなサービスと協力して、単独では交渉が難しい版権元ともグッズ化の交渉を進めています。あとはユーザーライクなサービス設計に尽きると思います。景品獲得までの難易度が高いオンラインクレーンゲームが多いなか、DMMオンクレは難易度をかなり下げているのでお得に景品がゲットできるはずです」

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