コロナで未曾有の危機も…タイの日本風女性アイドルが「今アツい」理由
ファンからプロデューサーへの道
「私の大好きなハロプロのメンバーも毎年来てくれていまました。でも、年に1回だけなんて寂しぎる!」。そう思ったネットさんは日本へ赴き、数々のコンサートやファンを観たり交流会に参加するようになりました。なかでも贔屓にしていた「Berryz工房(現在解散)のコンサートは通算10回以上観た」といいます。ちなみに、推しは夏焼雅さん(現在はソロ活動)でした。
そして、大好きな日本の女性アイドルをタイの人たちに知ってもらおうと、タイ語の専門情報サイトの「サイアムドル」をスタートさせます。こうして、ネットさんはタイの日本女性アイドルオタクたちの間で“知らぬ者のいない”存在になっていきます。
実は、ネットさんにとって情報サイトは次のステップへの伏線でした。彼の計算通り、このサイトの人気ぶりから、日本の地下アイドルグループの関係者の間でもネットさんの認知度が上がっていきました。得意な日本語を生かしてライブ会場で挨拶をするなど交流をし始め、2017年1月にKAMOがネギをしょってくるッ!!!(カモネギ・現在解散)のワンマンライブをバンコクで実現。
グループの特質を生かしたマーケット戦略
これまで20組ほどを招へい、レディキスのような人気グループは現地ファンの求めもあり、何度もワンマンを繰り返しています。そして、2018年に満を持してサイアムドリームをデビューさせます。アイドルオタクとしての知識や経験を生かしたかったこと、そして別な理由がそこにはありました。
「日本の女性アイドルグループの人気がタイで盛り上がるにつれ、その曲のカバーダンスをするグループが生まれていたんです。彼女たちの才能を発表できる場を作りたかったのが別な理由です」
しかし、アイドルグループをイチから作り上げるにはノウハウが少なかったのです。そこで、レディキスの所属するI-GETなど日本の音楽事務所からも色んなアドバイスをもらいました。サイアムドリームはレディキスの姉妹グループになり、一部の曲や衣装の提供を受けました。そのため同じようにロックっぽい雰囲気がウリになっています。
その後にデビューしたSUMOMOは盛り上げ系の曲が得意だったり、ユーフォニーは正統派アイドル系だったり、ソロのバイファーンちゃんはシティポップだったり、それぞれの特質を生かしたマーケット戦略で売っています。