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せどりビジネスの商材になることも…偽ブランド品の販売・流通事情に迫る

ビジネス

SNSで自慢するために偽ブランド品を買うケースも…

偽ブランド品

SNSやサイト上で堂々と販売されている偽ブランド品

 さらに中国国内では今、偽ブランド品の需要が増加しているという。中国在住の日本人駐在員は言う。

「中国では近年、中間所得層以上では、『偽物を持つのは恥ずかしい』という風潮が広がり始めていました。しかし近年、米中貿易戦争やコロナ禍での世界的な生産供給体制の逼迫で、海外ブランドの正規品が中国で品薄になっているんです。そうしたなか『本物が手に入らないなら仕方ない』と、コピー品を購入する人々も増えています

 Z世代の若者たちの間ではSNSで自慢するために偽ブランド品を買うというケースも少なくない。一方で、正規品の製造工場がロックダウンで操業できず、技術を持った工員が闇工場に流れているという噂も耳にしたことがあります

中国系の業者によって他の荷物と一緒に流入

偽ブランド品

 中国でも“増産”されている偽ブランド品の多くは、EMS(国際郵便)やDHL(国際宅配便)のほか、一般貨物で日本に流入している。東京税関によると、昨年の輸入差し止め実績の輸送形態では一般貨物と郵便物が6:4という状況だ。

「国際郵便は日数もかかるし、配送コストもあがる。何より没収されるリスクも。それを考えると、ある程度の注文をまとめて日本の拠点に発送したり、日本の販売業者に卸売りしたほうがユーザーにとってもメリットがある。コロナ禍で、都内には中国系の物流会社が急増しているんですが、こうした業者が他の荷物と一緒に偽ブランド品を輸入するという手法が最新のトレンドです」(都内在住の在日中国人)

 実際、WeChat上には日本向けに偽ブランド品を卸売りしている中国人業者が複数存在する。そのひとつに購入希望者を装ってコンタクトを取ってみた。

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