30歳で“ミリオン作家”になった男が語る、その後「YouTubeに完全シフトした」
「100万超えコンテンツ」で意識することとは?
水野:YouTuberとして、今後の目標はありますか?
山田:できるなら100万再生の動画をたくさん出していきたいですね。本で100万部いって、動画で100万再生っていうのが最初の目標だったんですが、一応達成したので。今は100万再生超えの動画は10本あるのですが、今後もたくさん作りたいっていうのが目標です。
水野:100万を超えると見える景色は違いますか?
山田:違いますね。これは『キングダム』でいうところの将軍と大将軍の違い。それまでの数千・数万・数十万のレベルだと、YouTubeだったら「YouTubeを見てくれる人にどうやってウケるか」とか、本だったら「本屋さんに来ている人のペルソナをイメージして、どうやって本屋で手に取ってもらえるか」を考えていたんです。
でも、100万を超えると「世の中のプラスになるにはどうしたらいいのかな?」という発想になりますね。能動的にきた人に対して情報を与えるっていうのが数万・数十万で、100万を超えると受動的な人、つまり「普段まったく興味がない人に振り向いてもらえるにはどうしたらいいのか?」っていうふうに意識が変わるんですよ。
本のオファーを断る理由
山田:たとえば、普段、損していることをまったく気付いていない人に、「あなたは損してますから、早くこの助成金を受けたほうがいいですよ」と伝えるのが“100万超えのコンテンツ”だと思うんです。そういう話が苦手な人や完全に耳を塞いでいる人に「いや、聞いてよ」っていう強引さが必要なんですよね。
その強引にしてまで見てもらうにはどうしたらいいのかと頭をひねって考えるのが、“100万超えのコンテンツ”という印象ですね。
水野:本のオファーを全部断ってらっしゃるそうですが、差し支えがなければ理由を教えていただけますか?
山田:理由は、YouTubeを伸ばしたいということだけです。僕はこだわっちゃうタイプなので、本作りだと時間をすごい取られるんです。そんなに本を量産できない理由もそこにあるんですけど、本1冊出すのに頭の中で企画や構想を練って、実際に執筆して完成するまでに半年かかる。1日2時間で180日かけたら360時間。360時間あったらYouTube動画なら60本ほど出せるんですね。
60本出せばどれか1本くらい100万再生いくかもしれないので、確率としては本1冊より動画60本のほうが“100万”の可能性は高くなるっていう考えですね。