マルチ商法に「勧誘されやすい人」の特徴。絶妙な“タイミング”に要注意
「師匠」のしょうもない実態
ちなみに、この「師匠」と呼ばれる人は、本当に「師匠」とだけ呼ばれていて、本名もペンネームやハンドルネームの類たぐいも分からないようになっているそうです。完全に個人を特定できないようにしている理由は、おそらく本名だとネットの検索に引っかかってしまうからでしょう。名前が特定できないから当然SNSなどもやっていません。
「師匠」が本当に金持ちかどうか客観的に検証する方法は皆無。唯一の証拠はそのマルチ商法のメンバーの証言だけ。どう考えても怪しすぎますよね。そんなに稼いでいる人なら、SNS上にそれっぽい写真があって当然じゃないですか。
平日にゴルフ、マリンスポーツ、高級旅館に旅行とか、金持ちの行動ってだいたいパターンが決まっていますから。お仕事関係の写真として「こんど僕がオープンしたお店です!」的な投稿も絶対あるでしょ? そういうのが一切ないばかりか、そもそも個人を特定できるSNSもやってないというのは本当に怪しい。この時点で気付いてください。
「不自然さを見抜けない」時は要注意
マルチ商法の勧誘員はたいてい第一印象では完璧にいい人を装っているので、厳しく突っ込んだら悪いなって思うかもしれません。でもそれが手なんですよ。彼らは見る人が見ればとても不自然なんですけど、敵もさるものでこちらのそういう不自然さを見抜けないような精神状態の時に攻撃してくるわけです。
転職とか、引っ越しとか、職場でトラブルなどに巻き込まれて落ち込んでいる時とか……。そのタイミングでスッとあなたのガードをかいくぐるのが技なんです。
自分の最終到達点を決めて、「非地位財」を見出して、給料を増やしたいという結論に至ったならそれはそれでよいことです。ただ問題はどうやって給料を増やすかということ。特に何の考えもなく、美味しそうに見える話に飛びついてしまうと、それがマルチ商法だったりすることは多々あります。本当にあなたの身近にありますのでお気を付けください。
<TEXT/経済評論家 上念司>