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22種の干物定食を提供する「しんぱち食堂」。一番の人気メニューと早さの秘密を聞いた

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都心部と地方での客層の違い

しんぱち食堂

 また、店内を見渡すとひとり客がほとんどのようだった。ファミリーやカップルが集まる店にひとりで入るのは気がひけるが、それぞれが黙々と食事をしているため、女性ひとりでも構えずに入れると感じた。

「データを取ると、都心部では7割が男性客で、25〜55歳くらいの1名の男性のお客さまが最も多く過半数を占めます。職場が近くにあるサラリーマンの利用が多いですね。場所によっても客層は違います。渋谷店などでは、10代の若者や女性ひとりでの利用も少なくありません。思っていたよりも、1名の女性の来店も多いんです」

 地方の店舗では、都心との違いがあると言う。

「地方の店舗ではファミリー層の利用が多いです。なので、都心の店舗はカウンターがメインですが、地方の店舗では2名や4名の席も作ります。都心では7割くらいは1名客で、都心になればなるほど、ひとりで食べにくる方が多い傾向にあります」

一番の人気メニューと、誕生の秘密

しんぱち食堂

サーモンハラス干し定食(840円)

「しんぱち食堂」には22種類の魚と、7種の肉の定食メニューがある。どの商品が1番よく注文されるのだろうか。

データ上は『サーモンハラス干し定食』が1番人気です。『さばの文化干し定食』が2番ですね。ほっけ、銀鮭も人気です。サーモンハラスは、どの店舗でもダントツ1位です。ボリュームがあって油が多く、特に若い人に好まれるメニューなんです」

 そんな人気メニューの「サーモンハラス干し定食」の誕生は、10年ほど前に遡る。

「サーモンのお腹の部分であるハラスは、10年前は魚屋さんが、とても安い値段で売っていた部分です。当時はボリュームがあって安く提供できる目玉商品を探していました。お魚屋さんに『まだ市場に出回っていない、美味しく安い部分はないか』と相談し、そこで登場したのがサーモンハラスです。

 その頃はハラス自体、提供しているところが少なく珍しかったんです。でも、それから4~5年経ったら、居酒屋さんが普通にハラスを提供するようになりました。今では普通に見かけるし、値段もそこそこするようになりました。僕らは勝手に、越後屋が“サーモンハラスブーム”の火付け役だと思っています(笑)

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