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<漫画>「寝ないで書いて来い!」と言われたことも…広告業界漫画の作者が振り返る“大変な経験”

暮らし

 日本を代表する広告代理店でコピーライターとして徐々に才能を開花させたにもかかわらず、幼い頃の夢が再燃し、思い切って漫画の世界へ飛び込んだ、漫画家のうえはらけいたさん(@ueharakeita

ゾワワの神様

『ゾワワの神様』

「広告業界の物語を描いてほしい」という依頼が舞い込んだことで、念願だった広告業界漫画『ゾワワの神様』を描くチャンスが訪れる。この作品には、うえはらさんのどのような思いが込められているのか。前編に続き、作者のうえはらさんのインタビューと共に、『ゾワワの神様』第5話〜第7話を紹介する。

【漫画『ゾワワの神様』の第1~4話を読む】⇒次へ>をタップすると次の画像が見られます

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大変だったが、辛くはなかった

──そもそも、コピーライター時代のお話を振り返るのはツラくなかったですか? 当然、働きがいもあったかと思うのですが、ツラい経験もたくさんされたのではないかと。

うえはらけいたさん(以下、うえはら):全然、なかったですよ! むしろ、そのときの経験を漫画にしたいという思いのほうが強かったです。もちろん、大変な経験もたくさんしましたけど、いろいろと教わったことも多いですから。

──勝手な想像ですが、漫画に描けないようなエピソードも多い印象が……。

うえはら:そうでもないですよ(笑)。私が入社する一世代前だと、厳しいお話もちらほら聞きましたが、みなさん常識の範囲で仕事をしていますからね。まだ、漫画に描いていないお話で言うと、コピーライターとしての師匠みたいな存在の先輩とのお話ですかね。

CM編集中に居眠りしたことも、いつか漫画に

うえはらけいたさん

作者のうえはらけいたさん。取材時は、サービス精神旺盛に色々と当時の話を教えてくれた

──どのような先輩だったのですか?

うえはら:広告制作会社から転職してきた叩き上げの方だったので、とにかく厳しいと。例えば、良いコピーが描けないと、「寝ないで書いて来い!」みたいな(笑)。今思うと、初めて付いた後輩だったので、扱い方というか距離感がわからなかったのかもしれないのですが。

──めちゃくちゃ厳しいじゃないですか(笑)。

うえはら:あと、徹夜が続いたある日、CMの編集に立ち会っているときに居眠りしたことがあるんですよ(笑)。自分では、コックリ程度で誤魔化せたと思っていたんですが、その先輩に一喝されました。

──それは、先輩が正しいような気がしますね……。

うえはら:もちろんそうなんですが、その方は終始、正論というか理不尽なことで叱ることはなかったので。そういう意味では、人としても成長させてくれたという思いもあります。

──では、大切な方との思い出なので、まだ漫画には描けないという?

うえはら:いえ、単純にそうした話は、いまの『ゾワワの神様』のフレームではないかなと。いつか作品のフレームが広がったときには、CMの編集立ち会い中に居眠りした話も描きたいと思ってますけどね(笑)。

<取材・文/橋本未来 写真提供/うえはらけいた>

【うえはらけいた】
大手広告代理店でコピーライターとして5年間勤務。CMや企業ブランディングに関わる広告制作を経験後、退職し多摩美術大学に入学し漫画を描き始め、2020年に漫画家として独立。これまでに『コロナが明けたらしたいこと』(アスコム)をはじめ、『愛されない僕と、愛せる人々』など、胸にグッとくる作品を描き続けている。
Twitter:@ueharakeita
note:うえはらけいた

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