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100億円市場の大麻由来「CBD商品」の裏側。ブームで違法な業者も野放しに

ビジネス

CBD製品を販売する30代男性を直撃

CBD

 実際にメルカリでCBD製品を販売している30代男性を直撃すると「扱っているのは大麻に含まれている化合物がすべて含まれているフルスペクトラム製法のCBDなので、THCが含まれている可能性が高い」と、違法性の認識を告白した。それでも商売を続けるのは低リスク高リターンだから。

「THCが検出された製品を厚生労働省は公表していますが、扱う業者の摘発まではしていない。商品の回収も求めていないので、違法な商品でも扱うリスクはほぼない。それでいて、個人で扱っても安定的に月に80万円以上の利益が出る」(30代男性)

 グレーな業者が野放しになっている背景には2つの法律がある。

グレーな業者が野放しになる背景

「植物由来のTHCは大麻取締法で禁じられ、化学合成のTHCは麻向法(麻薬及び向精神薬取締役法)に該当しますが、CBD製品から検出されたTHCがどちらの由来かを分析するのは困難。特定できない以上、法に則って摘発するのが難しい状況にあります」(厚労省関係者)

 THCは前述のとおり、海外では制限値を設けて一部許容されている。その点で、飯塚氏は「医療分野では活用が期待されるカンナビノイドのひとつ」だと強調する。

「CBDオイルにわずかなTHCが加わるだけで、がんや緑内障、自己免疫疾患、てんかん、精神疾患などへの有効性は格段に上がります。THCには精神高揚作用はありますが、実はアルコールのように暴力性・攻撃性を高める危険性は非常に低いと考えられているのです。少なくとも、医療分野におけるCBD/THCの使用は早く解禁すべき」(飯塚氏)

 とはいえ、CBDが医薬品に区分されれば、非医療分野における利用が規制されるおそれがある。そのため、「医薬品的な効能効果を標榜しない限り、医薬品と判断しない非医薬品リストへの収載が求められる」(柴田氏)という。

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