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必要派はわずか4割…職場「飲みニケーション」の意義を改めて考える<常見陽平>

学び

飲みニケーションは必要か否か

居酒屋

 現時点で最後の緊急事態宣言が解除されて以降、街中の飲食店街は活気をみせつつある。宣言下でも一部、経営状況などを鑑みてこっそり営業しているお店もあったが、休業していた大手チェーン店も一斉に営業再開した今、夜の街もすっかり以前の光景を取り戻した。

 おそらく宣言下でもお店に通い詰めていた人びとも少なくない様子。一部の人びとが「もう大手を振って飲みに行ける」と思っている一方で、会社によっては忘年会を見送るケースもあるなど、感染拡大への懸念は人や場所によっても様々だ。

 職場の飲みニケーションは必要か否か。議論の意味はコロナ禍以前から変わってきている。いまだ未知なる部分も多いウイルスへの恐れがある以上は「職場の飲み会へ行くべき」とは言えないが、筆者としては意義はあるとも考えている

職場の飲み会が必ずしも悪いわけではない

 3年前に酒をやめ、一切飲まなくなった。いまや、洋菓子に入っている洋酒で気持ち悪くなるレベルである。とはいえ、飲みの席は好きだ。会社の上司や先輩、同僚とお酒を介したコミュニケーションを図れるのは大きい。オフィスでは日々の業務に追われ、限られた休憩時間があっても周囲の目があると、やはり思っていることをすべて吐き出しづらい。

 しかし、飲み会であれば本音を言える人もいて、お酒を飲んだ開放感からストレス解消にもつながりうる。酔った先輩や上司、同僚と接するなかで、それぞれの人となりを知るきっかけになる可能性もある

 筆者はバブル崩壊後に社会人になった。いわゆるロスジェネだ。とはいえ、バブルの残り香もあり。バブルの空気を吸っていた上司や先輩のもとで働いた。当時と現在では、飲み会自体の意義も変わってきている。

 会社員時代、筆者は先輩や上司からなかば義務的に飲み会へ誘われたこともある。しかし、現在は「パワハラ」「アルハラ」が問題視され、企業側もハラスメント対策を求められる時代になった。

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