コロナ感染の実態がわかる、報道されない“7つの数字”。感染者数だけではわからない
検査陽性率が高いことは何を意味する?
さらに村上氏は、市中での感染リスクを知るために、「検査陽性率も注目すべき」と話す。検査陽性率の上昇は、感染者の増加に対し、検査数が追いついていないことを示し、一般的には検査数や新規陽性者数の妥当性を測る指数とされているからだ。
「検査陽性率は5%以下だと検査数は足りていると一般的には言われていますが、たとえば新しい感染力の高い変異株が登場してきたときは、検査数に不足がなくても陽性率は大きく上がる。なので、10%未満なら許容できると考えていい」
陽性率は、新規感染者数報告に占める若年層の割合とあわせて見ることで、市中での感染リスクを知ることができるという。
「そもそも検査陽性率は自覚症状がある人が検査に行った結果の数字で、ざっくり言うと3分の1は発症しないため、この人たちは捕捉できていません。そして、この無症状の人は若年層ほど多い。第5波においては検査陽性率が20~10%以上と高い日が続き、かつ若年層の感染が増えていたので、街中に無症状感染の人が多く出歩いていると推察できました。そのような状況では、特に感染リスクの高い人は、警戒レベルを上げる必要がある」
【東京都の陽性率=4.0%】
検査数の過不足を示す数値。7日間の移動平均。9月27日現在
10~30代の重症者数は少ないが…
デルタ株による第5波では、ワクチン接種の遅れている若年層の感染者数の多さが問題となった。しかし、重症者の多かった9月7日でも、10~30代の重症者数は5人と拍子抜けするほど少ない。
「若年者が重症化しにくいのは事実ですが、この数字の伝え方を間違えると若い人たちが警戒感を解いてしまう恐れがあります」
【10~30代の重症者数(全国)=5/2211人】
全国の重症者数。分母は全年齢の重症者数。原則①人工呼吸器を使用②ECMOを使用③ICU等で治療。9月8日現在