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「1日の来客3人で泣いた」…日本を愛するスリランカ人カレー店主が貫いた信念

暮らし

大統領でも手でカレーを食べる文化

――スリランカの人たちの食事は手で食べるのが今も普通なんですよね。

カピラ:大統領から一般の人までみんな手で食べますね。手で食べるっていうのは、ただ手で食べるわけではなくて役目があるんです。手で食べることによって実は噛む時間を与えているんですよ。色んなものを持ってきて混ぜてる間は噛めるんです。だから「混ぜ混ぜして食べてください」と言うのは、よく噛んで食べてくださいということなんです。

 歯には糸切り歯とか肉を食べる歯とか役割がありますよね。スプーンだと口に入れるだけですが、手で食べることによって必要な場所に直接持っていける。だから肉を食べる時はちゃんと奥歯に入れられるんです。それから指にささくれとかあるじゃないですか。あれも手で食べることでスパイスが入って普通に治るんですよ。

――へぇー、指のささくれが治るんですか! それは興味深いです。手で食べるというのは、初めてだとよくわからないと思うんですよ。お店で食べ方を教えてもらえるんですか。

カピラ:もちろん喜んで教えますよ! フィンガーボウルを持ってすぐに行きます。でもね、今は嬉しいことに少しずつ増えてきているんです。手で食べてる人は3店舗それぞれで1日2~3人はいますね。

手で食べることの素晴らしさを伝える

タップロボーン

カピラ・バンダラさん(写真左)とスパイシー丸山(写真右)

――カピラさんのお店じゃなくても、スリランカの方がやっているレストランだと手で食べてくれると嬉しいんですか。

カピラ:それはものすごい嬉しいですよ! 手で食べることの素晴らしさを我々はもっと伝えていかないといけないんですよ。スリランカ料理のお店に来てるから、スリランカの食べ方で食べてもらいたいんです。

――ところでカピラさんはこれからもずっと日本なんですか。

カピラ:ボクはもう日本国籍なんで骨は日本に埋めますね。お墓は日本です。

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