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性転換した“元女子YouTuber”の半生「母親には手紙でカミングアウトした」

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カミングアウトは、必ずしもしなくていい

――近年ではLGBTQの認知度も高まりつつあります。この点はどう思いますか。

奏太:多くの人が声をあげたことで、LGBTQが理解されてきたのはもちろん良いことだと思います。その上で権利を認められてきたことよる新たな問題もあるのかもしれません。今は僕が10代、20代のときよりも“カミングアウトをしなければならない風潮”のようなものが強いような気がしています。その点は個人的には心配です。

――ご自身もカミングアウトで悩んだからこそ、まだカミングアウトしていない人への心配があるんですね。

奏太:カミングアウトは必ずしもしなくてもいいと思うんですよ。伝えたい人がいるなら、すればいい。話したい相手がいるか、描いている未来にカミングアウトが必要か、そういった前提が大事にされてほしいです。あくまでもカミングアウトは1つの選択肢だと思っています。

YouTubeでLGBTQを身近に

奏太さん

――カミングアウト以外で気になる点はありますか。

奏太:例えば、LGBTQにどう接したらいいのか、何を聞いたら失礼になってしまうのか、わからずに戸惑ってしまう人はまだまだ多いと思っています。この点は、YouTubeによって身近に感じてもらえるようになるかもしれません。

――YouTubeで身近に感じてもらえるようになるのはなぜでしょうか。

奏太:YouTubeでは、当事者による知識の啓蒙や権利の主張とは違った角度のアプローチもできます。意外に日常の配信や何でもない雑談をきっかけに身近に感じてもらえるようになるのではないかと。僕は、LGBTQとは関係のない動画もたくさん作っていますが、いろんな人がいるんだなと知ってもらえるきっかけになればいいなと思っています。

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<取材・文/菅谷圭祐>

奏太
大阪芸術大学卒業。女性から男性に性転換をしたトランスジェンダーであることを公表し、チャンネル「かなたいむ。」で動画配信を行うYouTuber。チャンネル登録者数は21万人超。
Twitter:@kanata_kimoto Instagram:@kanata_1023

大学受験情報誌、IT情報サイトなどでライター経験を積み、2018年よりフリー。最近の趣味は休日の農業、リサイクル業も兼業
Twitter:@sugaya_keisuke

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