歯磨きで出血した…コロナで歯医者に行かない“重症の虫歯”が急増中
フロスをするか、さもなくも死ぬか
歯周病は歯と歯の間から発症するので、歯間清掃も忘れずに。アメリカでは「Floss or Die(フロスをするか、さもなくも死ぬか)」と言うくらいに、デンタルフロスで丁寧に汚れをとることは重要です。また「④歯間ブラシ」で、歯ブラシの届かない歯と歯ぐきの間をキレイにします。少し小さめのブラシで、いろいろな角度をつけて磨くことがコツです。
【商品参考例】
4) Prime start:CURAPROX(ヨシダ)
自分で行う歯磨きのことをセルフケアと言いますが、毎日のセルフケアだけではいくらていねいに磨いても十分でないことをご存知ですか? 本当に悪い細菌は歯の表面に膜をはり、強烈にこびりついているので、この膜は歯科医院の専門清掃でないと落とすことができないのです。
「こびりついている膜を取る」と聞くと、「歯に強い衝撃を与えるのかな?」と想像する方もいるかもしれませんが、実際には歯の表面を磨く治療なので、全く痛みはなく、むしろ歯がツルツルして気持ち良いです。歯科医院で行う清掃をプロケアと言いますが、しっかりとセルフケアを行い、そして定期的にプロケアを受けることが、本当の予防歯科になります。
令和の予防歯科は患者自身も主治医に
歯科医院でご自分のやることは、なんだと考えていますか?「予約時間に行って、名前を呼ばれたら診療室に入り椅子に座る。あとは口を開けておけば、歯医者さんか歯科衛生士さんが治してくれる。あとは最後に診療費用を払うだけ」だと思っていないでしょうか?
令和の歯科医療では予防歯科が常識なのですが、そのためには「自分の“健口”を守るのは自分自身」との意識が重要です。つまり、ご自分も主治医の一人なのです。お口の状態は全身の100種類以上の病気と関連していますから、全身の健康を維持する基本として、口腔ケアを見直してください。
自分で行うセルフケア、定期的に歯科医院で行うプロケア、予防歯科とは患者と医療者との協働作業です。予防歯科を実践し、“健口”で健康を守り、“健幸”な生活をお過ごしください。
<TEXT/歯科医師・歯学博士 宮本日出>