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リモートワーク推進のご時世で「郊外の物件」を購入するのはアリか

コラム

郊外は子育て世帯への支援が熱い

 ここまでで挙げたこと以外にも、郊外や都市部においては、さまざまなメリット・デメリットがあります。ファミリー世帯は子育てのしやすさから郊外を選ぶ傾向が強く、独身やDINKS世帯は生活の利便さを考え、都心部を選ぶ傾向にあります

 とりわけ郊外の子育て環境は都心部に比べて整っていることが多く、行政面でも郊外の方が「子育て支援」に力を入れている市町村が多くあります。なかでも「千葉県松戸市」の「子育て支援」は全国トップと言われています

「子育てしやすい街づくり」を最重要施策のひとつとして掲げ、子育て支援制度の整備・拡充に取り組み続けています。コロナ禍においても、松戸市では下記取り組みを行ってきました。

【千葉県松戸市の子育て支援の一例】
1. 養育費をもらえていないひとり親家庭への支援
2. 託児機能付きコワーキングスペースの設置
3. 妊婦へ向けたタクシー料金の助成
4. 1歳6か月児健康診査
5. まつどDE子育てオンライン広場 ・子育てオンライン相談
(※松戸市HPより)

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 コロナ禍で子育てが思うようにできないという声をあちらこちらで耳にするなか、こういった取り組みをしている地域だと安心して住めますよね。

結局はライフスタイル次第!

住宅

 独身やDINKS世帯は駅近物件を好み、通勤時間の短縮や飲食店の充実さや、遅い時間まで空いているスーパーが近くにあるなど、生活の利便性が優先されます。特に通勤時間の短縮については、プライベートの時間確保ももちろんですが、仕事のパフォーマンスアップにも繋がります。

 ファミリー世帯だとどうしても子育てが優先になりがちですが、独身やDINKS世帯はプライベートの時間をいかに有意義に過ごすかが最も大切になります。少し値段が高くても、日々の生活のコストパフォーマンスを上げるには都心部に住みたいと考える人が多いと言えます。

 リモートワークが進む今、郊外の不動産購入を迷われている方も多くいると思います。「投資用物件」という観点で見れば、もちろん資産価値の下がらない場所に不動産を購入するほうが安心ですが、「住居用」という目で見ると結局はご自身のライフスタイル次第ではないでしょうか

 確かに、リモートワークの普及により移動時間が無くなったという事実もあるので、このご時世だからこそ、まずは簡単に住み替えができる賃貸で気になっていたエリアにチャレンジすることも良いと思います

 不動産購入で一番大切なことは、ご自身のライフスタイルと目的に合っているかを見極めることです。プロに相談するのも良いですし、まずはご自身の状況やライフプラン、目的を整理してみると答えがでてくると思います。

<TEXT/株式会社リヴトラスト代表取締役 杉本一也>

株式会社リヴトラスト代表取締役。オンワード樫山、佐川急便を経て不動産の世界に未経験で挑戦。以来不動産営業一筋で25年。書籍『40歳から始める不動産投資』(ダイヤモンド社)を出版、マンション投資・資産運用に特化した情報サイト「Liv+(リヴプラス)」を展開

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