「名古屋は買い物が不便」はデマ!日本一の買い物天国、名古屋のお値打ち文化
「東京の人が名古屋に転勤すると、絶望する。」――この春、こうした内容のブログがSNS上で拡散され、名古屋人のあいだで物議を醸している。
このブログによると、名古屋は「住みづらい」「買い物が不便」「店が少ない」「楽しいところがない」「文化的なものがない」「仕事以外のことをすべてあきらめる人生を強いられる」と、そんな街だという。
名古屋・東京の両方に住んだ経験がある筆者からすれば、これは全くの間違いである。本連載では「名古屋暮らし」の魅力を存分に伝えていく。以前の記事では、東京に比べて名古屋では家賃や物価が安く、また「職住近接」であるため通勤時間も短く「住みやすい街」であることを示した。
一方で「生活費が安い」といっても、本当に名古屋にも東京と変わらないクオリティのショッピングスポットやグルメスポットがあるのだろうか――という疑問を抱く人も多いであろう。しかし、実は名古屋こそが東京以上の「買い物天国」なのだ。
東京以上の「買い物天国・名古屋」
「名古屋は買い物が不便」――それは大きな間違いだ。全国的に見て、名古屋ほど商業施設が充実している都市はほとんどないどころか、名古屋こそが日本の「買い物天国」である。
名古屋市中心部には「メーエキ(名古屋駅周辺)」「サカエ(栄・錦・矢場町駅周辺)」という2大繁華街があるが、名古屋ではこの2大繁華街にあらゆる都市機能がコンパクトにまとまっており、百貨店やファッションビルはもちろんのこと、さまざまな業種のショッピングスポットが軒を連ねる。メーエキとサカエは電車で僅か5分の距離であり、仮にこの2つの繁華街を歩いて回るとしても苦ではない。
商業施設それぞれのクオリティも極めて高い。例えばJR名古屋駅ビルにある百貨店「ジェイアール名古屋タカシマヤ」(高島屋)は、JRの駅ビル百貨店としては「日本最大」の規模。さらにこの7月には向かいの大名古屋ビルヂングにあった伊勢丹跡にも増床して「日本最大」となる高級時計売場を開設する予定であるなど、拡大を続けている。
日本広しといえども、これより広い高級時計売場を持つ百貨店は国内に存在しない。同店はバレンタインの時期には「日本最大」のチョコレートの祭典「アムール・デュ・ショコラ」が開催され、国内外の名門ブランドが集結するなど、高級品のみならず食品売場の充実度も非常に高い。
売場面積で日本最大級「松坂屋名古屋」
もちろん、伝統的な中心地であるサカエ地区も負けていない。1611年に創業した名古屋の百貨店の雄「松坂屋名古屋店(本店)」は3館体制で、その売場面積は「ハローナゴヤ」の語呂合わせで知られている(?)86,758平方メートル。首都圏にも百貨店は数多くあれど、この松坂屋名古屋店の面積を上回る規模の店舗は存在しない。
そして、松坂屋の南側にあるファッションビル「名古屋パルコ」は西館・東館・南館・ミディの4館体制で、その売り上げは池袋の本店を大きく上回り、こちらも「日本最大」である。
さらに、名古屋では近年イオンやセブンアイ、ららぽーとの手などによる「駅チカ」へのショッピングセンターが大ブーム。また、2019年には地下鉄伏見駅にエキナカ商業施設「ヨリマチFUSHIMI(与利マチ伏見)」が開業するなど、駅チカ・駅ビル・駅ナカの商業施設も充実しつつある。