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ジリ貧の缶コーヒーを救った『鬼滅の刃』。他のコラボ商品も爆売れだが、負の側面も

ビジネス

コラボ商品は“使いよう”

 いいことばかりに見えるコラボ商品ですが、実は負の側面もあります。依存度が高くなってしまうのです

 本来、企業は消費者に対して付加価値の高い商品を提供する義務があります。コーヒーであれば、現代社会に即した商品を開発し、それに合わせて設備投資や取引先の開拓をしなければなりません。飲食店であれば、新常態にふさわしい業態の開発や、店舗展開が必須となります。その投資が長期的に企業価値を高めることに繋がるのです。

 しかし、コラボ商品はヒット作から表層をすくい取っているに過ぎません。一時的な売上増にはつながっても、企業価値を高めることにはならないのです。企業の多くは2020年を上回る販売計画を立てます。目標達成のために再度コラボ商品に頼り、それが繰り返されるようなら本質的な企業活動とは言えません

 鬼滅缶が大ヒットしたダイドーの株価は、2020年11月24日に6040円の高値をつけましたが、そこからじりじりと下がって、2021年5月27日時点で4840円まで16.2%下落しています

 ヒット商品で得られた利益を、長期的な投資に振り向けることが重要です。

<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ>

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。現在はコンサルタントという名の中小企業経営者のサンドバッグ役を務めるかたわら、経済の面白さを広く伝えるため、開示情報を分析した記事を書いている。好きな言葉は美食家・北大路魯山人の「硬め、麺少なめ、ニンニクマシマシ」

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