スマホで脳が過労状態に。死を招く「現代型ストレス」の3大要因
現代人のストレス3大要因とは?
SNSに顕著なように、次々と流れてくる情報は、他人との比較による“自己肯定感の低下”という弊害も生み出す。
「無数に流れてくる他人の生活の様子に『こうありたい』『ああならなくちゃ』と思うものの、簡単にそうはなれない。そうしたギャップから自己肯定感の低下や劣等感が生まれ、ストレスが生じる構図も生まれていると考えられます」(川野氏)
【現代人のストレス3大要因】
<情報過多>
スマホ普及以前と比較すると、現代人が接する情報量は530倍に増えたという試算も。それらの刺激により交感神経が優位に働き続け、心と体を休められない人が増えた。
<自己肯定感の低下>
SNSから膨大に流れてくる誰かの主義主張や価値観。これらの情報により無意識的に自分と他人を比較し、自己肯定感の低下や劣等感が発生。ストレスの要因になっている。
<脳過労>
増えすぎた情報を処理しきれず、脳が過労状態の人も急増。ストレスや疲労をうまく感知してリセットできないばかりか、作業効率が落ちてさらなるストレスを生む悪循環も。
ストレスを放置すると死のリスクが跳ね上がる
そうしたストレスを放置し続けると、どうなるのか。著書に『スマホという病』をもつ精神科医の浅川雅晴氏が明かす。
「不眠、急性胃腸炎、下痢、薄毛や肥満、うつやパニック障害などストレスがあらゆる現代病の原因になることはすでによく語られているほか、脳や心臓の疾病リスク増にも影響を及ぼすと言われています」
高負荷のストレスを抱えている人は低ストレス状態の人と比較して脳卒中リスクが2倍、心筋梗塞リスクが2.7倍に上がるという研究も。そのほか死を招く疾病のリスクも格段に跳ね上がることがすでに判明している。
ストレスの緩和は、現代人にとって喫緊の課題であることは明白なのだ。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!5月18日発売号の特集「ストレス解消神メソッド」より
【川野泰周】
精神科医・禅僧。80年生まれ。精神科医として勤務するかたわら、’14年末より臨済宗建長寺派林香寺住職に。『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』など著書多数
【浅川雅晴】
精神科医。東海大学病院精神科に勤務後、’94年に浅川クリニックを開業。『スマホという病』『コロナ時代の強い心のつくり方』『若返りセラピー』など著書多数